三国山(2003/01/25)単独


今年最初の山はどこへ?

 年末に高尾山に行って以来、今年はまだ一度も山に行っていない。12月にヤマケイJOY冬号に紹介されていた山中湖北側の石割山〜長池山を歩いたが、富士山を見ながらの縦走は楽しくまた近くの山に行こうと思っていた。今度は南側の三国山を歩いてみよう。コースは籠坂峠からアザミ平、大洞山、三国山、鉄砲木ノ頭(明神山)と歩いて湖畔に下る予定だ。早速カーナビを湖畔の旭日丘にセットして出発する。土曜日で営業車は多いが渋滞はなくR246を進む。小山町から山間部の道路に入り三国峠へ向かう。少し高度を上げていくと目の前を小さな動物が横切り慌ててブレーキを踏む。リスだ。危うく轢いてしまうところだった。リスは冬篭りをしないのだろうか?

 だんだん道の両脇に除雪した雪が多くなるが道の真ん中は除雪してあり大丈夫だ。しかし三国峠の県境を過ぎると急にアイスバーンになり、つるつるの道を慎重に進む。下りは特に細心の注意をしながらゆっくり進む。こちらはスタッドレスだけだが、すれ違う車にはチェーンを巻いている人もいる。パノラマ台に着くと大勢のカメラマンが富士山を撮っている。今日は快晴でしかも風があるから絶景だ。後でここは歩いて通るから駐車場には寄らずに進む。湖畔に下りて左折する。驚いたことに湖畔の道は綺麗に除雪してあると思っていたが所々凍っているところもある。旭日丘の無料駐車場まで行くが殆ど除雪してないからガラガラにも関わらず止められる所は限られている。できるだけ籠坂峠に近いところのスペースを見つけ駐車する。

道が狭い

 湖畔で遮る物が無いから風邪がとても冷たい。家から膝のサポーターをしてきたが運転していると膝を動かさないので血行が悪く少し痺れている。膝を何度か屈伸して血行を促し靴を履き替える。軽アイゼンとスパッツはすぐ取り出せるようザックの一番上に乗せジャケットを着て帽子を被って道路を渡る。時刻は丁度9時だ。土産物屋の辺りもつるつるに凍っていて転ばないように気をつけバス停前まで行く。時刻表を見ると1時間以上なさそうで籠坂峠まで歩くことにする。まぁ1時間ほどで着くだろう。すぐの交差点を左折して行くと歩道は雪で埋まっていて車道を歩くしかないが車が来ると轢かれそうで怖い。道路の右側、左側と凍っていないところを選びながら登っていく。途中、正面に富士山が見える。山頂からの景色にも期待できそうだ。湖畔ではあれほど風があったがこの辺まで来ると風は無くしかも上り坂で汗を掻いて来る。

籠坂峠

 40分ほどで籠坂峠に到着しホッとする。やっと車に気を付けなくてもよくなる。入口には丁度スパッツを取り付けている人が二人いるが、道路を挟んで他の人と話している。そちらを見るとそこには旅館があり、他のハイカーも見える。どうやらここに泊まっての山行らしい。私もスパッツを付け、暑いから帽子の代わりにバンダナを巻き手袋も厚いのを脱いで素手になる。ずり下がっていた膝のサポーターを上げて準備完了。ここからは雪道で凍っているところはなさそうだから軽アイゼンはまだ付けない。その人達はまだ支度に時間がかかるようで、私は先に歩き出す。さすがに除雪していないが車の轍の間を歩いていくと少しして駐車場があり、3台ほど駐車している。ここまで車で来れるとは知らなかったがチェーンを着けないと難しそうだし、来たとしても帰りに歩く距離が長くなるだけだ。

アザミ平

 すぐに墓地に着いてそこを左に曲がって進む。雪はまだ10pほどで道も平らで歩きやすい。しかしすぐ上り坂になるとV字型に道が抉れていてとても歩きにくい。暫く歩いて振り返ると木の枝越しに富士山が見える。ガイドブックではこのルートは鉄砲木ノ頭(明神山)以外は展望に恵まれないと書いてあったが、冬枯れの季節ならそこそこ展望もあって振り返りながら富士山を見ながら歩くのも楽しい。なかなかアザミ平に着かないと思っていると分岐らしいところが現れるが雪で踏み後もないし標識も無い。そこから少し進むと分岐が見え、標識の有るアザミ平に到着する。ここから畑尾山、立山に行けるようだが寄り道をしないで真っ直ぐ進む。時期であればアザミが綺麗に咲き誇るのだろうが今は雪一色だ。

雪道

 少し進むと前方に何人か歩いているのが見えてくる。追い付くと5人の中高年の団体だ。脇に寄ってもらったので挨拶をして抜いていく。今までブナ林の中で風を感じずに来たが、この辺は見晴らしが良く風が強い。振り返ると富士山がはっきり見え、思わず写真に撮る。風の強い平な稜線を少し進むと上り坂になり荷物を下ろしカメラを持って富士山を撮っている初老の男性に会う。すれ違う人は今日初めてだ。かなり早起きして来たのだろう。挨拶をしてまた先に進むと樹林に入り風が弱くなる。すぐに左に曲がりブナ林の中を歩いていく。だんだん雪道を歩く疲れが溜まってきて足が重くなってくる。ときどきズボッと膝くらいまで潜ることがあり歩きにくい事この上ない。

大洞山

 やがて前方に雪道に腰を降ろし地図を見ながら休んでいる初老の人がいて挨拶をする。大洞山はもう少しですか、どこまで行くのかなどと話す。ここまですれ違った人は一人だけだと言う。先ほど私もすれ違ったカメラを持った人のようだ。その人の話ではパノラマ台から歩いてきたが、今日すれ違った人はこの初老の人が始めてで、この先は自分の足跡しかないと言っていたらしい。先に向かうとすぐに大洞山の標識が現れる。そこで休んでいると先ほどの人もやってきて展望が無く頂上といった感じじゃないですねと話す。まだお昼には早くお先にと言って先へ向かう。新しい足跡を見ると確かにこちらに向かうのが一つだけだ。

おかずの展望が

 暫く歩くが休憩できる広い場所もなく、疲れてきたので少し木の間越しに富士山が見える場所で道の脇にシートを敷いてご飯にする。雪道を歩いた疲れからシートに座ると動くのが面倒になり少し富士山を見ながらぼーっとする。じっとしていると寒くなってきてジャケットを着てご飯の支度をする。今日は焼き鳥の缶詰と焼き網を持って来たから酒のつまみに楽しみにしていたのだが、疲れて面倒くさくなり手早く食べれるアルミ鍋パックの長崎ちゃんぽんをストーブで温める。その間に紙パックのお酒を出し飲み始める。空きっ腹にアルコールが心地良い。ガスが少なくなってきたせいか火の勢いが弱く中々煮えない。それでも火が消えそうになるほど弱くもならずもう少し待ってやっと煮えてきたところで食べ始める。しかし疲れのせいか何だが味が良く分からず旨くない。樹林の中の展望が良くない所で食べるのは味気ないが今日のように風の強い日はやはり樹林の中が一番良いのかもしれない。

楢木山

 ご飯を食べている間に先ほどの人が追い付いてくるかと思ったがどうやらその人も途中でご飯にしているようだ。シートを片付け楢木山に向かう。こちらに向かう足跡は随分歩幅が広いが私は小幅で刻んでいく。そのため踏み後の無い雪を歩くから余計疲れるし踏み後でもときどきザクッと膝まで潜る。体重の違いか朝より暖かくなってきたせいだろう。その内づな坂峠に着く。看板を読むと信玄の時代に使われていた古道がここを横切っていたようだが今は使われていないらしい。エアリアの地図には「ズナ坂峠」と書いてあるがこの看板には「づな坂峠」とある。それにしても楢木山はいつの間にか通り過ぎたようだ。先ほどご飯を食べた辺りかもしれない。この辺りから急に足跡が多くなる。どうやらここまで来て引き返した人が大勢いるようだ。

一長一短

 ここから少し上り坂になりアルコールの入った体で心臓がドキドキして苦しくなってくる。やっと三国山に到着する。残念ながらここも見晴らしは無い。喉が渇き水分を補給する。甘いダカラが疲れた体に気持ち良い。ここから真っ直ぐは明神峠、左にパノラマ台コースと書かれていて私は左へ下っていく。急な下りだが雪道でクッションになり膝に優しいのが嬉しい。膝のサポーターは温かくて良いのだがすぐにずり下がるから一々上げるのが面倒だ。

絶景

 かなり急な道をずんずん下ると三国峠に到着し朝車で通った所にでる。道路は相変わらずつるつるに凍っていて渡るのに慎重に歩く。疲れていたからここから道路を歩いて下ることも考えていたがこんな道は軽アイゼンを付けても歩きたくないほどだ。道路の反対側から鉄砲木ノ頭に向かう。やはり山道の方が良い。しかしここから結構登らなければならないかと思うとうんざりする。少し登って振り返ると富士山が綺麗だ。アザミ平と大洞山の間から見えた他はずっと綺麗に見えなかったから感動も一入(ひとしお)だ。しかし体力的には限界に近付いており中々前に進めない。少し歩いては休み肩で息をする繰り返しになる。

 ぜえぜえしながらやっと鉄砲木ノ頭(明神山)頂上に登り切る。展望は素晴らしいの一言に尽きる。富士山、南アルプス、山中湖反対側の石割山から大出山に続く稜線、その奥には三ツ峠や黒岳だろうか、更に右には御正体山も綺麗に見える。きつい雪道を歩いてきた甲斐が有るというものだ。しかし寒い。山中湖を渡る風が遠慮なく体温を奪っていく。ここは混んでいると思っていたが、意外と二人連れがいるだけで後は誰もいない。その二人連れは祠の影でストーブを片付けていてここでご飯を食べたようだがかなり寒い思いをしたに違いない。

歩いた分だけ

 写真を撮り展望を楽しんでから体が冷えないうちにパノラマ台に向かって降りていく。快適に歩いていると一人下から登ってくる。また進むとまた一人登ってくる。展望を楽しみにパノラマ台から登る人は結構いるのかもしれないが寒いから頂上には長居をしないのだろう。パノラマ台に着くと駐車場は一杯でカメラを構えて富士山を撮っている人が大勢だ。しかし頂上から比べると標高が低いだけ感動が少ないように思えるのは歩いた人にしか分からないだろう。

 ここからは道路を歩くと思っていたが看板の先を踏み後があり、そちらへ下っていく。しかし踏み後は途中までしかなく引き返しているようだ。もう少し下れば道路に出そうだから踏み後の無いところを慎重に進むと道路が見えてきて低い潅木の間を潜って道路に出る。

バスが来ない

 少し歩くとすぐに東電寮バス停へ向かう山道が左手にあり、また雪道に入る。かなりの足跡がありバス停からパノラマ台まで歩く人も多いことを伺わせる。暫く雪道を歩くと道路に飛び出すが轍のある道は凍っていて気が抜けない。何とか転ばず歩いていくと湖畔の道路に着き右に進むとバス停がある。時刻は14:05で時刻表を見ると14:06のバスがあるようでラッキーだ。しかし待っていてもバスは来ない。この時期は運行していないのかと思っていると丁度タクシーが来て止まる。疲れているし旭日丘まで近いから対した金額じゃないだろうと思い乗り込む。

温泉へ

 車中でどこから来たか聞かれ大和からで帰りに紅富士の湯に寄るつもりだと言うと、籠坂峠を下って行った所の天恵が良いと勧められる。900円らしい。すぐに旭日丘に到着し970円払い駐車場に向かう。靴を履き替え運ちゃんに勧められた温泉に向かう。籠坂峠の氷もこの時間では解けている。坂を下っていき少しすると温泉つき分譲地の看板を過ぎたところに温泉があった。駐車場は第三まであるようだが第一駐車場にまだ空きがあり車を止め着替えを持って中へ向かう。しかし中に入り入浴券の自動販売機を見てビックリ。大人1500円となっている。カウンタの人に時間制で安いチケットはないか聞いてみると一日券しかなく、平日は900円だが土日はこの値段らしい。一瞬、他の温泉にしようかとも思ったがもう靴も脱いで上がった事だし一日券なら時間もあることだしのんびりしようと考え直して券を買う。

 中に入るとお風呂の他に水着着用で入る温泉(プーロ)もあるようだが、水着はないし(レンタル400円)疲れているから風呂だけにする。浴室に入りサッと体を洗って内湯に浸かる。あーぁ気持ち良い。雪道を歩いたから脹脛(ふくらはぎ)が筋肉痛だ。なぜか肩もすごく痛い。暖まったところで露天風呂に行く。外に出るとデカイ富士山が目の前でとても気持ち良い風呂だ。しかも露天に寝湯もあり、そこに寝そべって富士山を眺めているのは快適だ。内湯、洗い場、露天も空いていて富士山の展望も申し分なく運ちゃんお勧めのことはある。ちょっと高いがたまには良いかも知れない。中に戻り頭を洗ってまた内湯に入る。

のんびりと

 十分寛いでから風呂を出、自販機で缶ビールを飲み休憩室に向かう。休憩室は飲食物持ち込み禁止でテレビやテーブルが置いてあり休憩のみとなっており、他にリラクゼーションルームと食堂が別になっている。リラクゼーションルームはサウナにあるようなソファベッドが有ってここで横になる。この部屋からも富士山を見ながら寝そべることができて快適だ。少し休んでいると猛烈にお腹が空いてくる。今日のお昼は簡単な麺だけだったから当然だ。起きて食堂に向かう。早速フライドポテトをつまみにビールを飲んだ後、そばを食べる。味は特別なものではないが空きっ腹にそばの喉越しが良い。まだ足りずラーメンを追加する。さすがにお腹一杯になり、またリラクゼーションルームに行ってゆっくり寝ることにする。暫く休んですっかりアルコールを抜いてから土産を買って家路に向かう。結局3時間近くも居たことになる。いつもは温泉に寄っても1時間ほどだが、たまにはこんなにのんびりするのも良いかも知れない。


山行データ
山行日: 2003/01/25 晴れ
山: 山中湖村 大洞山(1,384m)、三国山
コース&時間: 旭日丘(9:00)籠坂峠(9:40)アザミ平(10:35)大洞山(11:20)楢木山辺り(11:45,12:20)三国山(12:55)鉄砲木ノ頭(13:35)パノラマ台(13:50)東電バス停(14:05) 20,600歩
同行者: なし
参考ガイドブック: ヤマケイJOY 2002冬号、'02山と高原地図31富士・富士五胡
温泉: 小山町 天恵
写真: 三国山の写真


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