浅間山(2001/12/16)子連れ


どこに行こうか?

 明日はどこに行こうか?一太郎は野球だが一姫は用事がないので一緒に行くか聞いてみる。行くとの返事でどこに行こうか色々ガイドブックを広げてみる。行き先を考えるのは楽しい。一人ならまだ余り行った事の無い奥多摩方面と思っていたがこの時期で子連れなら南で暖かい展望の山が良い。
 伊豆まで足を伸ばそうかとも思うが日曜日では帰りの渋滞が怖いし箱根方面に絞って目的の山を探す。以前矢倉岳に行った際に南に見えた神山や明神ガ岳も良い。しかしコースタイムを考え楽そうな浅間山にする。時間があれば鷹ノ巣山がすぐ近くなので寄ってみてもいい。
 行き先を決めて早速準備をする。冷蔵庫に調理済の照り焼きチキンがあり軽く炙るだけで良さそうなのでそれを持って行くことにする。それから大分前に買った乾燥野菜が手付かずのまま賞味期限を過ぎそうなのでそれとチキンブイヨンを用意する。後は明朝ビールを冷蔵庫から出せば準備OKだ。

乗り換え乗り換え

 目が覚めるともう7:30だ。7時には出発のつもりだったが寝坊してしまった。しかし今日の登山口は小涌谷で観光地の駐車場は高いから電車で行くつもりだったのであせることは無い。朝食を食べビールをザックにしまい出発する。もう8時過ぎだ。駅に向かう途中でコンビニに寄るが品揃えが悪くおにぎりがまるで無い。仕方なくパンを買い駅に向かう。相鉄で海老名まで行き小田急に乗り換える。車中では退屈なので一姫はゲームに没頭する。
 やがて小田原に着き箱根登山鉄道に乗り換える。しかし箱根湯本までしか行かずそこで再度乗り換えのようだ。これだったら海老名から箱根湯本行きに乗っていれば良かったのだ。仕方なく箱根湯元まで行き乗り換える。程なく箱根湯本に着くが次の登山鉄道まで時間がある。電車だとこういった待ち時間が面倒だ。
 20分程待って登山鉄道が発車する。久しぶりの乗車だ。ゆっくりと急坂を登って行く。何箇所かスイッチバックがあり多くの外国人旅行者がビックリしている様子だ。一姫も初めてで何でこんなふうに登るのか不思議なようだ。異様にシート下からの暖房が暑く上着を脱いで我慢する。箱根湯本から40分程で小涌谷に到着する。長かった。何度も乗り換えるのは面倒だ。帰りの事と駐車料金の事を考えなければやはり車の方が性に合っている。

千条の滝

 大勢の人が降りる中、上着とザックを持って降りる。さすがに外は寒い。降りる人は殆どが観光客ですぐに三々五々改札を抜けて目的地に向かう。駅の待合室に浅間山ハイキングコースの地図が有ったので方向を確認する。他に一人だけちょっと古めかしい両側にポケットの着いた皮のザックを背負っている初老の人がいる。どこに行くのだろうか。
 私達はガイドブックのコピーを見ながら駅を出て左に向いすぐ右手の上り坂を進んで行く。道路脇から湯気が出ていて一姫が何だろうと不思議がる。下水に温泉が流れているのだ。ちょっと進むと左にハイキングコースの標識がありそちらへ向う。両側に別荘や保養所の並ぶ中を進むとやがて真っ直ぐが蓬莱園、左が千条の滝とある。迷わず滝に向う。蓬莱園には帰りに時間が有ったら寄ってみよう。
 所々山茶花が植えてあったり落ち葉焚きをしている道を進む。電車の中は大勢の観光客でさすがに日曜日の箱根は賑やかだと思っていたが、ここまで来ると人の気配は全く無く静かだ。やがて水音が聞こえもう滝かと思ったら道端に太いパイプから勢い良く水が出ている所がある。飲めるのかと思ったがコップや柄杓はなく飲めるわけではなさそうだ。更に進むとすぐ右手に川が小さいながらも滝のようになっている。綺麗だ。写真を撮り次に進む。間も無く千条の滝に出る。アベックが写真を撮っている。千条というだけあり、細い幾筋もの滝が幅広く流れている。ミニ白糸の滝だ。まあまあ綺麗だが落差が無く豪快な感じはしない。ここでもコップや柄杓は無く飲めないのだろうか?しかしせっかくだから記念写真を撮って登山口に進む。

霜柱を踏みながら

 登山道に入るとさすがに寒いのかあちこちに霜柱ができている。自宅より南だがやはり風が強いのだろうか?一姫は喜んで霜柱を踏んで歩く。滑ってこけるなよと声を掛け先に進む。この道は檜林が低く少ないため明るく快適な道だ。登るにつれ益々霜柱が増え歩く両側にビッシリとニョキニョキ生えている。私も時々ザクザクした感じを楽しみながら歩く。他に全くハイカーには会わないが所々右手に道路が見え走る車の音が聞こえ、やはり箱根だなと実感する。やがて30分ほどで宮ノ下分岐に着く。少し休憩するが余り汗を掻かないので喉は乾かない。夏場だと500mlのペットボトル2本持って出かけるが今日は1本だけだ。休んだ後、浅間山頂上へ向かう。

案外人気の無い山かな?

 全く他の人と出会わないままここまで来たが、道が平坦になってきたところで下ってくる3人連れと出会う。少し進むとさらに5人のグループが降りてくる。今まで誰にも会わなかったので人気の無い山なのかと思っていたが、どうやら我々の出発時間が遅かっただけのようだ。広葉樹の落ち葉の中を進むとやがて先が開けている。頂上のようだ。はやる気持ちで歩き山頂に飛び出す。広い草原の頂上は大勢の人で賑わっている。30人ほどいるだろうか。結構人気の山なのだ。西に見えるのは神山、駒ケ岳だろうか。なかなか展望が良く雲一つ無い景色は気持ち良い。

草原で楽しい弁当

 ふかふかの枯れた草地にシートを広げて弁当にする。早速持ってきた照り焼きチキンを焼いてみる。すぐに煙が上がり香ばしい匂いが立ち込める。ビールを開けつまみにして食べる。旨い。ポカポカ陽気の中で食べるご飯は格別だ。次に乾燥野菜を茹でてみる。縮こまっていた形が少しずつ広がっていく。すぐになべの水がなくなってしまう。元々野菜は殆どが水分だから当然か。更に水を足し沸騰したところでチキンブイヨンを入れ出来上がりだ。食べてみると暖かいスープと野菜の歯ごたえがたまらない。乾燥野菜を戻すとカップラーメンに入っている野菜のようになるかと思っていたが全然別物だ。インスタントのシチューや戻した後に水を切りカレーに入れても旨そうだ。今度やってみよう。全く人気のない静かな山は寂しくて嫌いな一姫もここに来てご機嫌なようだ。ご飯の後お菓子を食べたり写真を撮っているとあっという間に1時間も経ってしまう。

MBにビックリ

 出かける準備をしていると鷹ノ巣山方面からMBの集団がやって来る。男性5人と女性1人だ。こんな山の上まで自転車でくるなんてびっくりする。小涌谷からのコースはとても自転車で来れるような感じでは無かったが反対側はかなり緩やかなのだろうか。それにしてもかなりの脚力、体力がいるのだろう。皆、到着するなり自転車を横倒しにして座り込んでしまう。荒い息をしながらも、とても楽しそうだ。

見たく無い物

 鷹ノ巣山に向う道は最初は緩やかだ。両側に紫陽花のドライフラワーが沢山ある道を歩いて行く。気持良い道だ。やがて急な登りになる。さっきのMBの人達はここを通ってきたのだろうか?急だが距離はなくすぐに登りきるともう鷹ノ巣山頂上だ。由緒書の看板によると江戸時代にここに鷹ノ巣城が有ったらしい。しかし何も名残は無い。反対を振り返ると神山と駒ケ岳が浅間山からより良く見える。しかし良く見える反面見たくも無い物が見えてしまう。ゴルフ場だ。ちょっとした双眼鏡でもあればプレイヤーの姿まで見えそうだ。

飛竜ノ滝

 少し休憩した後来た道を戻るか畑宿方面に下るか迷う。時計を見るとまだ13時を廻ったばかりで時間には余裕が有る。いつもは車でピストンだが、今日は電車で来たことだし畑宿方面に下り飛竜ノ滝を見ることにする。ところどころ薄の残る緩やかな下りを快適に歩く。程なく湯坂道入り口手前の分岐に到着する。左に折れ畑宿方面へ向う。ここからは薄暗い檜林の中、木段を下っていく。すぐに右手から沢の音が聞こえ登山道から右脇に寄ってみると沢が見える。しばらく沢のせせらぎを聞きながら降りて行くとT字の分岐にぶつかる。畑宿方面は左となっているが一旦沢から離れるのだろうか?
 左に進むに従い沢音は遠ざかって行く。石がゴロゴロしている道を進むとやがて下から滝の音が聞こえて来る。更に下ると沢が道を細く横切っていて飛竜ノ滝への分岐がある。ここから100m程登るようだ。しかしここにショッキングな事が書いて有る。ここの水は飲めないらしい。ガイドブックによると箱根最大の滝と書いて有り飲めないとは書いて無かったので美味しい水を期待していたのに残念だ。箱根は観光地化が進み水質が悪いのだろうか?
 気を取り直して少し登るとすぐに滝の下部が見えて来る。なかなか豪快に流れていて気持良い。更に登ると滝の上段と下段が一度に見える所に出る。上部は更に美しい。ガイドブックによると上下合わせて45m有るらしい。しかしこんなに綺麗なのに水が飲めないなんてとても残念だ。

畑宿へ

 記念写真を撮り下ることにする。先程の分岐まで戻り畑宿方向に下る。右手に沢を眺めながら石ころだらけの少し歩き難い道を進む。少し行くと左手に石垣が見えて来る。これは鷹ノ巣山城が有った頃の名残なのだろうか?更に下っていくと少し穴の空いた橋を渡り林道となる。そのうち左に桜の大木がある花見の名所がありそこを過ぎると車道に出る。

バスにて帰路へ

 ホット一息ついて畑宿のバス停へ向う。時刻表を見ると30分以上あり寄木細工の店脇から旧東海道の石畳があるので少し登って時間潰しをする。趣があって良い道だ。石畳の旧東海道も一度歩いてみたいものだ。やがてバスが来て箱根湯本に向う。今日は小涌谷からの登りも畑宿への下りもどちらも綺麗な滝、沢のせせらぎを楽しめたのは良かった。しかしどちらも水が飲めないとは非常に残念だ。観光地化が進んでも自然を極力壊さないような下水道ができて美味しい水が飲めると良いのだが。

データ

山:箱根町 浅間山(802m)、鷹ノ巣山(834m)
コース&時間:小涌谷→(55)浅間山→(20)鷹ノ巣山→(35)飛竜ノ滝→(30)畑宿
歩行数:小涌谷→畑宿まで12300歩
参考ガイドブック:首都圏からのハイキング るるぶ'00〜'01
浅間山の写真




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