乾徳山(2002/06/29)グループ


人数は?集合場所はどこ?

 5月の弥三郎岳以来、天気が悪く山に行っていない。そろそろ足がなまってきてどこかに行こうと思っていたところ,日和見山の会で乾徳山に行く案内メールが来たので早速参加の返事をする。どのガイドブックを見てもこの山は上級者向きと書いて有り、前々から行きたい山ではあったが一人では危ないかなと思い躊躇っていた所だ。運動不足なのが心配だが日和見のいつもののんびりペースならきっと付いて行けるだろう。

 塩山駅に9:30頃集合だがそこから登山口の大平牧場までは結構距離がありタクシー利用のようなので車を出す旨メールする。この時点(6/24)で参加者は私を含めて6人。私の車は5人乗りだからもう一人車を出してくれればOKだ。その後日を追って参加者も増え8人となりもう一台の車も手配が付き,前日(6/28)に集合場所も八王子となる。メーリングリストだから誰がまめにメールを見ているか分からず八王子で集合した際,全員揃って無ければ塩山駅にも寄る必要がありそうだ。

全員集合

 6/29の朝、早起きをして八王子に向かう。天気は予報通り曇りだ。山梨の天気は夕方まで持つらしい。渋滞もなく八王子駅前に着く。既に横田さん、川さん、国さんが待っている。もう一台の車は川さんが用意してくれたようだ。川さんとは初対面だ。すぐに中さん、たーさん、kenさんもやってくる。後一人の河さんをしばらく待つがなかなか来ない。携帯も連絡が付かず30分待って出発とする。

 2台の車で一路塩山駅を目指す。八王子ICまでは相変わらず渋滞だが,高速に乗ると土曜でしかも天気が良くないせいか渋滞無く順調に進む。たーさんは千葉からだが5時に出てきたそうだ。うーん、やはり千葉から山梨の山に日帰りで行くのは辛そうだ。国さんも千葉からだがたーさんより近いらしい。中央線沿線の山々が次々に左右に現れるがどこも頂上の方はガスっている。それでも西に向かうに連れ曇りながらも明るくなってくる。初狩Pに寄りトイレ休憩と弁当の調達をする。河さんから連絡が有り塩山駅に直接向かったとの事だ。
 勝沼ICで降り塩山駅に着くと河さんがバス停で待っている。これで8人全員集合だ。すぐに拾って大平牧場へ向かう。

到着

 のどかなぶどう畑の中を快適に進む。それにしても信号の少ない道はすばらしく気持ち良い。家の近くもこんななら嬉しいのだが。途中ワイナリーの看板を幾つか見かけるがたーさんは気になる様子だ。国さんは昨日しこたま飲んだそうで今日は飲む気になれないらしい。先行する川さんの車にもカーナビが着いているが私の車のカーナビと何カ所か違う道を案内しているようで面白い。メーカーや機種によってルート検索の仕方が違うようだ。

 やがて川さんの車が左手の細い道に入っていく。よく見ると大平牧場の小さな看板が有る。細いながらも暫く舗装の快適な道が続くが,だんだんでこぼこ道になってくる。車の腹を擦らないように慎重に進む。時々舗装が新しく快適な箇所に変わったりする。予算の都合からか全線一斉に舗装し直すことは出来ないのだろうか。途中大きなダンプカーともすれ違う。この先で道路工事を進めているのかもしれない。やがて山荘の様な建物が見えてきて右側に広い駐車場が現れる。大平牧場の駐車場に到着だ。人気の山だと思っていたが以外と駐車場は空いている。徳和からのルートの方が込んでいるのかもしれない。

冗談半分

 駐車場代500円を払って銘々ストレッチをし出発する。時計を見ると10:40だ。林道を歩き出すとすぐに牧草地になるが放牧は行っていない。今は牧場はやっていないのだろうか。山荘と駐車場だけで経営はやっていけるのかという話題になり、一ヶ月の駐車場収入の計算をしたりしながら歩く。人の事ながら大きなお世話かもしれない。
 すぐに右手に登山道入り口が見えてくる。ここから北西に山が見えるがあれが乾徳山だろうか?上の方は雲がかかっていてよく見えない。暫く緩やかな登山道を進む。所々アザミやシモツケが綺麗だ。ジグザグの林道をショートカットしながら進とやがて乾徳山・徳和渓谷のガイドマップの看板が有り奥秩父の主要な山や各コースの見所などが書いて有る。乾徳山に向かうルートはツツジの群落が見れるらしい。

 この看板の所からいよいよ本格的な登りとなる。今までより傾斜が強くなり最近の運動不足がたたって足が重くなってくる。それでもいつものkenさんのノンビリしたペースで付いていける。暫く樹林の中を進む。雨上がりで茸の成育には良さそうで横田さんは茸探しをしながら登る。いつものようにkenさんや河さんがいろんな茸を横田さんに味見してよなどと冗談を言いながら進む。途中休憩した所で地面から直接白い花が出ている。xx草(聞いたけど忘れた)というらしいが何でもこの花の下には死体が埋まっているとか。本当だろうか?

ご飯半分

 更に先に進むとやがて少し開けたところに出る。天気が良ければ富士山も見えるだろうが今日は近くの山が霞んで見えるだけだ。この辺では所々アヤメが咲いていて綺麗だ。ツツジは殆ど花が終わり散ってしまっているが少しだけ残っている株もある。少し進むと草原になりここが扇平のようだ。ちょうど12時だ。

 乾徳山は日和見の会で以前一回来たらしいがこのちょっと先で雨が大降りになり引き返したらしい。そのときもここでご飯にしたらしく今回は縁起をかついでご飯は頂上で食べようと話していたが、お腹も空いたので半分だけここで食べることにする。中さんからミニトマトの差し入れを頂く。旨い。いつも気が利く人だ。河さんからはチョコレートを頂く。疲れているときは甘い物が美味しい。休憩していると上から3人連れの登山者が降りてくる。今日初めて会う登山者だ。挨拶をして我々も出発だ。

怖さ充分

 すぐに扇平の標識がありそこを進とまた樹林の中に入る。きつい登りが続きごろごろした岩が多くなってくる。やがて大きな岩に赤いペイントが書いて有るようになってきてペイントを見ながら進む。場所によってはペイントが←→のように書いて有りどちらからも行けるところがある。二手に分かれてどちらが進み易そうか探りながら進む。途中どう進めば良いか迷っていると丁度上から登山者が降りてくる。そちらに向かい先に進む。

 途中狭い岩の間を通るところがあり何とか身体をすり抜ける。しかし抜けてみると右から楽なルートが有ったりする。ガイドブックに上級者向きと書いて有るのが分かるような気がする。さて、いよいよ心配していた鎖場が見えて来る。最初は5m程の物があり、足場を確保しながら登り切る。大きな岩を乗り越えて行くとだんだんと高度感が増してきて左側が断崖になっている所も有り、一人だったらきっと怖いだろう。足がすくみそうになりながら出来るだけ景色を見ないようにする。更に進むと次に10m程の2つ目の鎖場だ。足場がなかなか見あたらず両手、両足総動員するが最後の段差がどうしても足が届かない。仕方無しに膝を使ってやっと登り切る。何とかこれを過ぎるとまた土の道になりほっとする。岩場で何度かすねをこすり手も少し擦ってしまったのでザックから手袋を取りだして付ける。いよいよクライマックスの3つ目の鎖場に向かう。

 少し進むと山頂直下の鎖場に到着する。ここはちょっとした広場になっていて振り返ると扇平が見下ろせる。通ってきた登山道から外れた当たりには赤い絨毯のようにツツジの群落が見える。まだあんなに残っていたのだ。さて少し景色を見た後、鎖場を見上げると20m程の殆ど垂直に見えるような絶壁だ。本当にこんな所登れるのだろうか? 右手に巻き道があるらしいがどっちにするか迷う。横田さんは颯爽と鎖を伝って登っていく。身軽だ。次に河さん、中さんと続く。kenさんはリーダらしく最後にするようだ。

 次は私の番だ。ドキドキと緊張する。どのガイドブックにも必ずここの写真が載っていて自分には絶対無理だと思っていたが、それでも目の前で何人か登るのを見ていると一見つるつるの絶壁に見えるが所々足場が有り、何とか自分でも登れそうな気がしてくる。一人で来たら絶対登れないだろうから良い機会だから挑戦してみよう。前の中さんが上の方まで登ったのを確認してから鎖に取り付く。足場を慎重に見ながら3点確保に注意しながら登っていく。結構岩の窪みが有り登りやすい。半分ほど登ると岩が段になっていて足場はしっかりしている。そこを右手に移動すると楽になる。ここで鎖を離し岩を伝いながら進む。すぐにまた鎖に捕まり最後の一登りだ。ここは結構手強い。必死に登り目の前に鎖の取り付け部が見えてきてそこに手を掻けて身体をずり上げる。
 やった!何とか登り切ることが出来た。

感動半分

 ほっとして次の人たちが登り切るのを待つ。全員無事登り切り岩場の頂上に立つ。もう13:50だ。ここで記念写真を撮り合う。私もひきつった顔の記念写真を撮ってもらう。我ながら良く登れたものだと感心する。かなり恐がりだがベテランの人たちが一緒だとやはり心強い。一息付くとやっと景色を見る余裕が出てくる。しかし360度真っ白だ。それでもこの一週間天気予報とにらめっこだったが雨が降らなかっただけでも上々だ。次は秋晴れの時に来ようとみんなで約束する。

 各自縁起を担いで残していた弁当を食べる。いつもは頂上で必ずアルコールとなるのだが,今回はこの山行募集のメールでkenさんより岩場だから禁酒のお達しが出ていたのでみんな自粛している。展望にも恵まれないので他の3人連れが着たのを潮に下山することにする。登ってきた鎖場を下るのは怖そうだし巻き道のアルミ梯子もかなり怖いらしいので一旦北の水のタワに降りて国師ヶ腹に向かうルートとする。

やっと半分

 北に降りていくと途中垂直に近い梯子もあるが距離が短く登ってきた鎖場と比べたら楽勝だ。水のタワから今度は南下する。しかしその後が長い。延々と岩のごろごろした枯れ沢を下る。石にこけが付いていてすべりそうで気が抜けない。雨の日は怖そうだ。鎖場の雨も怖そうだしこの山は雨の日は絶対来ない方が良さそうだ。薄暗く湿ってこけの良く生えた中,相変わらず横田さんは茸探しに夢中だ。暫く滑りそうな石の道が続く。何人か滑りながらも怪我無く慎重に下っていく。3時を過ぎると林の中はだんだん暗くなってくる。もうかなり歩いた気がするが時間的にはやっと半分くらいか。

ほっと一息

 やがて林が開けて明るくなってくると河さんが「やっと明るいシャバに出てきたぞ!」と叫ぶ。面白い人だ。間もなく全員無事高原ヒュッテに到着する。15:40だ。ここは無人の避難小屋で薪のストーブがある。板の間には誰かが置いていったアルミの緊急避難シートが有る。中さんの話では製品で売られているときはたばこサイズだが一度広げるとどんなに上手く折りたたんでも嵩張ってしまい使い捨てにせざるを得ないらしい。

 ここは水場も無く少し休憩して大平に向かう。すぐに国師ヶ原の分岐に到着する。ここから大平へは少しまた登って広い草原の横を通っていくとやがて小屋沢ノ頭に到着し朝通った道満尾根の道に合流する。長い下りで膝ががくがくだが後少しだ。更に少し下ると牧草地に出る。河さんが道ばたのへびいちごを見付け食べている。私も食べてみると甘酸っぱくて美味しい。自然の恵だ。やがて駐車場に辿り着く。後は温泉に向かうのみ。

温泉にて

 河さんの案内で牧丘町の町営温泉に向かう。まもなく花かげの湯の駐車場に着くとワイン風呂と書いた幟がなびいている。楽しみだ。玄関を入ると料金表が有り,町外の人は3時間で500円だ。早速服を脱ぐのももどかしくお風呂に向かう。中はサウナと内湯,露天風呂が有る。さっと湯を浴びて内湯に浸かる。硫黄の匂いがするぬるめの湯だ。山行の後は気持ち良い。ちょっと一息付いて外の露天風呂に入る。こちらは更にぬるくいつまでも入っていれそうだ。やはり外の方が解放感が有り気持ち良い。疲れた足の筋肉がほぐれそうだ。しかし幟にあったワイン風呂というのは見あたらない。残念。

 のんびり寛いだ跡、風呂から上がり広間でしばし休憩する。湯上がりの中さんは益々綺麗だ(誰かさんみたいに口には出せないが)。ぐいっとビールが飲みたいところだが運転だから我慢だ。他の人も運転手に遠慮してか飲まない。無理しなくても良いのに。遠い人もいるので少し休憩したら帰路に向かう。高速に向かう途中でフロントガラスにぽつりぽつりと雨粒が。高速に乗って少しすると大降りになってくる。今日は山行の途中で降られなくて本当に良かった。

次はどこへ

 今までガイドブックに上級者向きと書いて有る所はまだまだ自分には無理だと思っていたが、今回の乾徳山の鎖場を登れて少しは自信が付いた。これも偏にいつでも気軽に参加できる日和見山の会のお陰だ。このような会に入っていなければ怖がりで慎重な私はいつまでも上級者向きの山には行けなかっただろう。次は同じ奥秩父の瑞牆山,金峰山などにも行ってみたいと夢が膨らむ。


山行データ
山行日: 2002/06/29(土)曇り
山: 三富村 乾徳山(2031m)
コース&時間: 大平駐車場(1:20)扇平(1:50)頂上(1:30)高原ヒュッテ(1:10)大平駐車場
歩行数: 駐車場(7300歩)頂上(4500歩)高原ヒュッテ(4700)駐車場 計16,700歩
同行者: kenさん、横田さん、たーさん、川さん、国さん、中さん、河さん
参考ガイドブック: 富士山の見える山60選
温泉: 牧丘町 町営花かげの湯 3時間500円
写真: 乾徳山の写真


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