大岳山(2002/07/14)単独


再度,大岳山へ

 金曜までの天気予報では週末は雨だと言っていたが、少し好転して何とか持ちそうだ。展望は余り期待できそうにないが行動時間が短い所にしよう。6月に大岳山に登るつもりで奥多摩まで行ったが,登山口の滝本に着く前に雨になって結局ドライブがてら小菅村まで行き小菅の湯に寄って帰ってきたことがあった。今回は再度大岳山を目指そう。ルートは御岳山から縦走してみよう。岩石園なども有り天気が悪くても楽しめるかもしれない。

 6:30に御岳ケーブルカーの麓・滝本にカーナビをセットして家を出る。渋滞なく順調に奥多摩方面に向かう。しかしちょっと風邪気味のせいか吉野梅郷あたりでトラックの後を走っていると排ガスでめまいがしてくる。自分で運転していて酔った事はないがどうも気持ち悪い。トラックとの距離を空け窓を全開にしているとなんとか気持ち悪いのが収まってくる。そのうちトラックも別の道にそれ,空いた道を御岳山に向かう。この辺は信号も少なく快適だ。暫く走ってコンビニに寄る。昼の弁当とおかずを何にしようかと見ると焼き鳥が目に留まる。夏場はいつもビールを凍らせてくるのだが今日はちょっと風邪気味だから持って来ていない。しかし焼き鳥にはやはりビールだ。結局ビールと焼き鳥、弁当を買って外に出る。

行きは楽して

 やがて滝本に到着し靴を履き替える。切符売り場で片道だけ買う。行きは楽してケーブルカーで登り、帰りは時間に余裕があれば歩いて下ろう。待合室は余り観光客がいない。少し待つと乗車アナウンスがあり、10人ほどだろうかガラガラのまま発車する。登り始めると線路脇に青い紫陽花があちこちにあり綺麗だ。写真に撮ろうとするが距離があるので無理そうだ。急勾配を登っていくと間もなく頂上駅に到着する。8:55だ。広場に出て景色を眺めると曇りではあるが昨日雨だったせいか霞んではおらず結構遠くまでくっきり見える。

 展望を楽しんだ後まずは御岳神社を目指して歩き始めると,まるで歓迎するかのようにあちこちで鶯の鳴き声が聞こえる。すぐ頭上の木でひときわ綺麗な鳴き声が聞こえ姿が見えそうなのにこれがなかなか見えない。どこかに観光客の為に巧妙にスピーカでもしかけてあるのかとちょっと疑ってみたくなる。少し進むと先の方から大勢の子ども達の声が聞こえる。更に近寄ると丁度滝本へ下る分岐から小学生の団体が降りていく所だ。まだ9時過ぎだしきっと山上の旅館にでも一泊してこれから帰るところのようだ。賑やかな歓声を見送り神社に向かう。すぐに神代欅が見えてくる。御岳山には何度か来ているがこれをまじまじと見るのは初めてだ。なるほど、大きい。その前を過ぎると土産物屋がありすぐに御岳神社に到着する。

真っ直ぐ大岳山へ

 お賽銭をして安全を祈り少し進むと長尾平展望台に到着する。売店も開けたばかりのようで客は誰もいない。休憩もそこそこに先へと急ぐ。岩石園,奥の院,鍋割山への分岐があるが天気が崩れない内に大岳山に登りたいからそれらを見送り真っ直ぐ進む。時間が早いせいか天狗の腰掛杉当たりで3人組とすれ違っただけで他の人には全く会わない。静かな緑の緩やかな尾根道を歩くのは気持ち良い。暫くゆっくり下っていくと水場が有り喉を潤す。旨い。家から持ってきた水道水が入っている1Lのペットボトルを空にし、湧き水を詰める。帰ってから旨いコーヒーを飲もう。少し進むと沢のせせらぎが大きくなり岩石園からの道と合流する。沢の流れが綺麗で渡る風が涼しく汗ばんだ体に気持ち良い。そばには休憩舎があるが誰もいなくて静かだ。ここまで50分程で丁度半分くらい来たのだろうか。

 一休みして大岳山に向かう。沢沿いの道を過ぎると登りになりやっと山登りの気分になってくる。坂が急になってくると体調が悪いせいか苦しくなってくる。一人だとペースが速くなりがちだから意識してゆっくり進む。やがて標識が見え左に高岩山,右に大岳山と書いて有る。ここが芥場峠だ。右に進むとすぐに鍋割山からの道と合流する。だんだんと岩場が多くなってきて小さな鎖場2箇所を通過する。雨でもないかぎり鎖は必要ないようだ。更に進み岩場を回り込むと山荘らしい建物が見えてくる。頂上なのだろうか?すぐに大きな鳥居が見えてきて馬頭刈山分岐がある。頂上はここから北西に登るようだ。
 ベンチで休んでいる人(以下あーさん)がいて挨拶する。話をしてみると昨日もここに来るつもりで岩石園の先まで来たのに岩場の前で雨が強くなり引き返したらしい。私は岩石園を通ってこなかったのでどんな所か訪ねると、苔むした石がとても綺麗で素晴らしく,30分ほどで通過できるところを余りに感動してゆっくり見たから2時間もかかったとと言う。小雨が降る中だと苔の青さがとてもいいらしい。それを聞いて是非私も帰りに寄ることにしよう。

展望の大岳山

 一服しているあーさんにお先にと声を掛けて先に進む。少し登るとすぐに大岳神社がある。その脇を抜けて急な登りを進む。すぐに岩が多くなってきて怪我しないよう注意しながら進む。少し傾斜が緩くなったかと思うと人声が聞こえ大岳山頂上に飛び出す。
 先客は7人ほどだ。曇りではあるが霞んではいないため遠くまで見える。残念ながら富士山は見えない。早速近くのアベックに頼んで大岳山の標識の前で写真を撮ってもらう。すぐに先ほどのあーさんがやってくる。また挨拶をし良い眺めですねと会話する。近くに見える奥多摩の山々は何山だろうと話しているとそばに詳しい人がいて教えてくれる。北西から順に鷹ノ巣山,その奥に雲取山、御前山、三頭山、丹沢方面は主峰のあたりは雲で隠れているが三ツ峰、大山、三峰山などがくっきる見える。更に南東に目を向けると横浜方面にはうっすらと江ノ島まで見える。展望は期待していなかったのにこんなにぐるっと見えるとは感激だ。暫く展望を楽しむ。

 十分堪能した後、景色を見ながらお昼ご飯にしようかと思うがまだ11時前だ。あまりお腹も空かないし何よりあの岩場を下るのにビールを飲んだ後というのは怖いかもしれない。まだ景色を楽しんでいるあーさんを残し下ることにする。丁度先程写真を撮ってもらったアベックが降りるのでその後を付いていく。急な岩場を慎重に降りて行くが、ちょっと膝を岩にぶつけてしまう。どうも足を降ろす場所の目測を誤ったようだ。更にゆっくり下っていると次から次へと下から登ってくる。すぐに大岳神社を過ぎ鳥居のある広場に出る。

ビールに焼き鳥

 さてほっとしたことだし、ご飯にしよう。そこのベンチは先客がいたので大岳山荘の南に進むとコンクリートでできた立派な展望台がある。広いしここでご飯にしよう。南面の展望が良いがやはり頂上と比べると少し物足りない。ザックから焼き鳥、ビール、弁当を出す。焼き鳥は既に焼き跡がついていてそのままでも食べれるやつだが冷たくては味気ない。網で軽くあぶり始めると煙が出て美味しそうだ。そばにいた女性に良いわねと羨ましがれる。熱々になったヤツをビールで流し込む。旨い。これだから山は止められない。ちょっと風邪気味だったがビールを買ってきて良かった。ビールを飲み干した頃あーさんがやってくる。また挨拶をするがあーさんは食事を頂上で済ませてきたのか先に向かう。私は景色を見ながら弁当を食べ始める。今日は暑くもなく良い日和だ。

高岩山

 少しのんびりした後、帰ることにする。今度は岩石園経由で帰ろうかと思いながら進んでいると次から次へとやってくる人たちとすれ違う。朝早くから行動すると余裕が有って良い。少し下ると御岳山と高岩山の分岐の芥場峠に出る。まだ歩き足りないし12時前でもあり高岩山に寄ることにする。持ってきたガイドブックの地図にはルートが書いてないがどんな所だろう?少し進むと3、4年ほどの小学生10人程を連れた団体に追いつく。楽しそうな子ども達を見ていると羨ましい。最近我が家の子供達は山に一緒に着いて来なくなって少し寂しい。まあ仕方ないか。子供達の引率者が後ろから来た私に気が付き子供達にも声を掛け道を譲ってもらう。暫く殆ど平坦な歩きやすい道を進む。ちょっとしたピークがあるがこれを巻いて先に進む。更に進むと少し岩場があるが危険なところはない。

 やがて先の方に青い屋根が見えたような気がする。少し進むと立派な青い屋根付きの展望台に到着する。展望台の前に手書きの看板があり、高岩山と書いて有る。中にはシートを広げてすっかり宴会モードの男性グループや賑やかにお喋りしている女性グループがいる。そこで少し休んでいると驚いたことにあーさんがやってくる。また会うとはびっくりだ。しかしいつの間に抜いたのだろうか?早速二人で山座固定だ。振り返ると大岳山、北にはすぐ目の前に御岳山の山上集落や長尾平、少し右に転じると日の出山が見える。そこへ下から子供の声が聞こえてきてすぐに先頭の子供が飛び出す。やった!頂上だ,と叫び嬉しそうだ。すぐに続きの団体が到着し展望台は一杯になる。

岩石園へ急下降

 あーさんは奥の方でご飯を食べ始め,私は先に下ることにする。少し下ると早くも岩石園への分岐がある。鎖、梯子有と書いてあって少し不安だが時間も有ることだしここから降りることにする。下り始めるとかなりの急勾配だ。すぐに下から登ってくる年輩の男性とすれ違い、苦しい息で頂上はまだですかと聞かれる。すぐ尾根に出ますよと答え,変わりに岩石園まではどんなですかと聞くとかなり急で長かったとの答えだ。気を引き締めて転ばないように慎重に降りていく。

 突然目の前をガサガサと緑色の細い物が横切りびっくるする。最初草の茎かと思ったが緑色の30cm程の蛇だ。草むらに入って行き見えなくなったのを確認して通り過ぎる。あんなちっちゃなやつでも突然だとビックリするものだ。気を取り直して先に進む。御岳山周辺は子供連れでも手軽に楽しめるコースが多いが,この道は歩きなれた人でないと怖そうだ。少し進むと鎖がいくつもある下りとなる。今日は捕まらなくても大丈夫だが雨の日は捕まらなければ降りられないだろう。その後アルミの階段を降りるとやっと緩やかになる。しかし今度は笹が多くて歩きにくくなる。次第に沢音が聞こえだし大きく左に回り込んでいくと沢に出て,ほっと一息だ。更に下っていくと橋が見え緩やかな沢沿いの道に出る。ここが岩石園のようだ。

 尾根からここまでは降り初めてからすぐに初老の男性一人と会っただけだったが,ここには川原のあちこちにハイカーがいて気持ちよさそうに弁当を食べたり沢遊びをしている。それにしても石に生えた苔が綺麗だ。ここは小雨の降る中,下流から登りながら見ると一段と美しいのかもしれない。

七代の滝

 暫く進むと天狗岩を過ぎ七代の滝分岐に到着する。時間も有ることだし滝を見ていくことにする。急な坂を下っていくと鉄製の階段がいくつかあり息を切らせながら登ってくる人達とすれ違う。降りきると滝前の広場に出る。2年前の1月に来たときは水量も少なく滝の両側が凍っていて綺麗だったのを思い出す。今回は昨日の雨で豪快な音を響かせながら威勢良く滝壺に落ちていき,まるで滝が生き物のようだ。見ているととても爽快な気分になる。
 観光客が来たのと入れ替えに上へ向かう。先程の鉄製の階段が結構堪える。距離はないが急だからすぐに息がぜえぜえしてくる。やっと尾根道に出、長尾平に向かう。長尾平に着くと大勢のハイカーが休んでいる。今日は大分汗を掻きペットボトル2本を飲んだが今は何か冷たい物でも食べたい。しかし残念ながらここの売店ではかき氷やアイスクリームは売っていない。御岳山まで我慢しよう。広場を奥まで進み突き当たりから展望を楽しむ。今日は予想に反して天気が良かったのが嬉しい。

長い舗装路

 少し休んで御岳山に向かう。神社を越え土産物屋でアイスクリームを買い食べながら御岳山頂駅方面へ向かう。ケーブルカーにするか歩いて降りるか迷う。だいぶ歩いて疲れたがまだ2時前だから歩くことにする。舗装路を歩くのはつまらないが少しは少ない小遣いの節約になる。最初は快適に歩けるがだんだん飽きてくるし膝に力が入らなくなり辛くなってくる。それにしてもこの時間に下から歩いてくる人たちが結構大勢いるのには驚く。もういい加減うんざりした頃,沢の音が大きくなってきて滝本に到着する。長かった。

もえぎの湯はどこ?

 車に乗りどこの温泉に行こうか考える。6月に来たときはもえぎの湯の場所がわからずずっと先までドライブし,小菅の湯まで行ってしまったが今回こそもえぎの湯に行こう。地図を見ると奥多摩駅のそばにあるようだ。駐車場から下り吉野街道に出ると左折する。空いた道を快適に走りトンネルを幾つか抜ける。もえぎの湯,二つ目信号左折と書いた看板がありそれらしい信号を左折する。しかし暫く進むが温泉はない。再度地図を見ると駅から近いはずだ。Uターンしキャンプ場入り口の人に聞くと信号の先トンネル手前の道を右折するとの事だ。信号の先をゆっくり進みトンネルの直前を右折する道が有る。先程見た看板の案内は走りながらで読み誤ったようだ。

待ち,待ち、待ち

 その細い道へ進むとすぐに左手に湧き水が出ている所があり,更に進むとトンネルがある。しかしその前方に満車の看板と係員がいて車を止めている。3台ほど並んでいる後ろに付ける。待っている間に車の横を歩いて抜いていくハイカーが大勢いる。ここは駅から近いから奥多摩周辺の山に来た人たちが大勢集まるのだろう。20分程待ってやっと駐車場に入れる。着替えを取りだしやっと風呂に入れると思いながら建物に向かうとなんと入浴整理券を渡される。大勢の人でごった返しているようだ。待合室で15分ほど待たされやっと番号を呼ばれる。カウンタで700円払い浴室に向かう。

 中に入ると内風呂は狭く洗い場も一杯だ。ここでも洗い場の後ろで前の人が洗い終わるのを待つ。なんだか悲しいやら情けないような気分になる。自分の番になっても当然後ろで待っている人がいてとてものんびり洗えたものではない。特急で体と頭を洗い狭くて込んでいる内風呂には入らず露天風呂に向かう。外に出ると以外と空いていて川に面していて解放感がある。気持ち良い。緑を眺めながらお湯に浸かる。結構歩いたので腿がパンパンだ。もみほぐしながら暫くのんびりする。隣の女湯からは賑やかな声が聞こえてくる。のぼせない内にお湯から出て下の多摩川を見下ろす。昨日の雨で白く濁っていて水量も結構ありそうだ。涼しい風にしばらく当たってから出ることにする。着替えてから二階の休憩室に行き一休みする。ビールを飲みたいところだが外でも駐車場待ちの人がいると思うと酔い冷ましするほどのんびりできないような気がして,ところてんだけ食べて駐車場に向かう。これだけ込んでいる所だとなかなか落ち着かないものだ。

次はどこへ?

 後はカーナビを自宅誘導にして帰るだけだ。3週続けて天気予報が外れ楽しい山行ができた。今日、大岳山から見えた奥多摩の山々や丹沢でも行ってないところがまだまだ沢山ある。次はどこに行こうか?早く梅雨が明ければいいが暑い夏はもっと高い山にも行ってみたい。


山行データ
山行日: 2002/07/14 曇り
山: 奥多摩 大岳山(1266m),高岩山(920m)
コース&時間: 御岳山駅(1H45M,8500歩)大岳山(45M,4400歩)高岩山(1H15M,6300歩)岩石園経由長尾平(60M,5500歩)滝本
同行者: なし
参考ガイドブック: るるぶ首都圏からのハイキング'00〜'01
温泉: 奥多摩町 もえぎの湯
写真: 大岳山,高岩山の写真


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