愛鷹山(2002/10/06)単独


再度、富士周辺の山へ!

 前回(9月15日)富士山に近い三ツ峠に行ったが、残念ながら富士山は見れなかった。さて今日も予報では曇りとなっているが近くの山なら今度こそ少しは見えるかもしれないと期待して、今まで行った事の無い愛鷹連峰に行くことにする。ガイドブックを見るとこの連峰には1000m以上の山が南から愛鷹山、袴腰岳、大岳、位牌岳、船山、呼子岳、鋸岳、前岳、飯盛山、越前岳、黒岳とある。その中で越前岳が最高峰のようだ。早速カーナビをセットして越前岳を目指す。

 高速は順調に進み裾野ICで降りて登山口に向かう。ガイドブックを見ると越前岳へは須山の愛鷹神社の方から登る道と十里木からの道が書いてあるが、愛鷹神社からのほうが傾斜が緩いようだ。もちろん、そちらから登ることにする。カーナビには愛鷹神社に向かう細い林道が載っていないので目的地が近付いてくるとバス停を見逃さないよう、ゆっくり慎重に走る。途中、須山バス停のあたりで登山口の標識があるがこれは前岳に向かう道だろうか?地図と比べるともっと先のようだ。更に進み愛鷹神社バス停のあたりで左に向かう林道を見つけそちらに入っていく。舗装されていてすれ違いができるほどの快適な道だ。

熊注意にビビる

 5分ほど進むと20,30台停められそうな舗装された随分と立派な広い駐車場が見えてくる。ガイドブックには路肩に駐車可と書いてあったから最近作った駐車場なのかもしれない。先客は2台だけだ。既に車内には人影はなく、もう登り始めているようだ。私も車を降り支度をしていると1台やって来る。3人連れでその内の一人にどのコースで登るのか聞かれ愛鷹山荘経由ですと答える。彼らが支度をしている間に私は登り始める。

 登り口に熊注意と書いてあり少しビビる。熊が出ることがあるのだろうか?先ほどの3人は結構ベテラン揃いのようだからすぐに追い付かれるかもしれないと思いながら進んでいく。杉や檜の植林された道を進んでいくと所々迷わないように木肌や石に白ペンキが付けられていて初めてでも歩きやすい。暫く進むと道が抉れて両側が高くなっている歩きにくい道になる。2箇所ほど木橋を渡りちょっと急な場所にはロープや短い梯子がある。全体にとても手入れが行き届いた印象だ。

まずは黒岳へ

 やがて愛鷹山荘に到着する。そばには銀明水があり、ちょろちょろと清水が流れている。勢いがないので置いてあるコップを暫く傾けてやっと半分ほど貯まった所で飲んでみる。うん、なかなか美味しい。一休みして次へ進む。すぐに富士見峠に到着する。真っ直ぐ越前岳に行くつもりだったがまだ8:20と早く黒岳に寄っていく事にする。峠を右に折れ北東に進む。勾配が殆ど無く歩きやすい道だ。すぐに銃声が聞こえてくる。そういえば先ほどの峠の標識に黒岳射撃場と書いてあったような気がする。これだけひっきりなしに銃声がすれば熊が出る筈は無い。

 さらに進むと黒岳の方からやってくる初老の人と出会う。(仮称:青さん)ここまでで初めて出会うハイカーだ。挨拶をして先に進む。すぐに左手が広くなっている場所があり富士山が見える。やった、今日は何とか見えたぞ!霞んではいるが輪郭ははっきり見えるくらいだ。写真を撮り先を急ぐ。少し登るとすぐに黒岳に到着する。ここからまた富士山を眺める。先ほどより少し下から雲が上がってきたようだ。一息入れてすぐに戻ることにする。

越前岳へ

 富士見峠まで戻り今度は南西に進む。さしてきつくない道を進んでいく。所々赤土が出ていて湿っているため滑りやすい。転ばないよう気をつけながら進んでいると前を行く背中が見える。先ほどすれ違った青さんだろうか?ゆったりしたペースだが、こちらもペースが上がらず背中は見えているのになかなか追いつけない。ようやく追いついてお先にと声を掛けて行く。少し進むと鋸岳展望台に到着する。ギザギザに鋸の歯のように見える山は鋸岳、呼子岳、大岳あたりなのだろうか?ここで休んでいると先ほど抜いた青さんが追い付く。話をしてみるとこの山は3年ほど前来たことがあり、そのときはこのルートを登り帰りは呼子岳から割石峠を経由して沢沿いの道を愛鷹神社に下ったそうだ。そのときは台風の後で道が荒れていたとの事だった。今日はそのルートで降りるか迷っているらしい。私はどうしようかと考えたが取り合えず頂上に付いてから時間を見ながら決めようと思い、また挨拶をして先に進む。

 登山道の左側に何箇所か危険と書いた看板がある。地図によると北白ガレンと呼ばれる崩壊地のようだ。しかしロープが貼ってあり足を踏み入れない限り危なくは無い。やがてアセビが両側に茂る気持ち良い道を過ぎると富士見台に到着する。富士山が見えるが先ほどより雲で隠れてきている。ここには写真家:岡田紅陽さんの説明書きが有り、昔の50銭札の富士山の絵が描いてある。さて富士山の写真を撮ろうとしたらほんのちょっと説明書きを見ている間に頭のほんの少しだけ残して雲で隠れてしまった。全部隠れる前に慌てて写真を撮る。雲の動きが早く少し待つともう少し見えるようになったので、また写真に撮る。少し休憩し歩き出すと20分ちょっとで越前岳頂上に到着する。ぐるっと景色を見回すが、残念ながらここから富士山はもう見えない。もっと早く来れば見えたのだろうか?

ご馳走さま

 ここまで青さん一人しか出会わなかったが10人ほどのハイカーが休んでいる。驚いたことに駐車場で出会った3人組がいる。私が黒岳に寄っている間に抜かれたのだろうかと思い話をしてみると、愛鷹神社から沢沿いに割石峠経由で登ってきたらしい。道の様子はガレていて歩きにくいらしいが、それでも2時間ちょっとで着いたらしい。そのルートで降りるか悩んでしまうが汗も掻いてお腹も空いたことだしご飯にしよう。

 ザックからビールとつまみ、弁当を取り出す。今日は鯵の味醂干しとアルミパックのつみれ鍋を持ってきたので楽しみだ。まずはアルミパックの蓋を開けつみれ鍋にする。具を取り出して火に架けるだけだ。グツグツと煮えてきたところでビールを開ける。旨い。早速つみれ鍋を突付く。熱々で旨い。風は寒いほどではなく汗を掻いた体に気持ち良い。ビールを飲み干しご飯にする。網を取り出し鯵の味醂干しを焼き始める。丁度やってきた15人ほどの女性中心の団体が賑やかで、その内の一人が魚を焼いているのを目敏く見つけてわざわざそばまでやってくる。「わぁ、美味しそう。こんな小さな網有るのねぇ。」などと大声で喋って行く。ちょっと恥ずかしい。山で食べるのはこんなちょっとしたものでもご馳走だ。

温泉に行こうか?

 さて、ご飯も食べ終わり時間を見るとまだ11時だ。沢沿いのルートにするかちょっと考えるが一人のときは安全第一だ。来た道を戻ることにする。早く降りて温泉に行こうと思いながらハイペースで歩く。最近は膝も余り痛まなくなってきたから快調だ。登ってくる人と何人もすれ違う。結構辛そうにしている人もいて頂上まで後何分位ですかと聞かれる。こういうときいつも困ってしまうのはその人のペースがどのくらいか分からないから、何と答えたものか考えてしまう。結局ガイドブックに書いてあるような時間を答えるしかないのだが。それにしてもこれから登っても今日はだんだん崩れる予報だから富士山は見えないかもしれない。山に限って言えば間違いなく早起きは三文の徳だ。富士見台、愛鷹山荘と順調に下り、やがて愛鷹神社の駐車場が見えてくる。登山口のそばに温泉の案内版があり、そばの木箱に割引券が置いてある。1枚貰って駐車場に戻る。

富士湧水のビール目指して!

 さて時刻は12:30。まだ温泉に向かうには早すぎるから少し観光をして行こう。ガイドブックに駿河ビール工場が載っているので富士市へ向かう。途中の十里木街道沿いには風に揺れるススキがあちこちで見ることができる。綺麗だ。空いている道を快適に走り駿河ビールに到着する。しかし中に入ってみると工場見学をするような場所ではなくビアレストランだけの営業のようだ。残念。そのまま帰るのも勿体無いし近くに何かないかと探してみると鎧ヶ淵親水公園があり寄ってみる。綺麗な澄んだ湧水が流れている川がある。川底が見えるから一見浅く見えるが2m以上の深さがありそうだ。こんなに綺麗な川は今まで見たことが無い。そばの池には鯉が泳いでいる。こんな綺麗な水の中で暮らす鯉はどんな気持ちだろう?綺麗な川を見ていると自然を汚しちゃいけないと強く思う。

 親水公園の隣に永明寺があるのでそちらにも寄ってみる。境内を入ってすぐ左に御手洗(みたらし)が有り、早速柄杓に掬い飲んでみる。旨い!これは実に旨い。富士山の湧水はやはり旨い。車の中に2Lのペットボトルが2本有るので汲んで行きたい所だがそんな所を住職に見つかったらちょっと怖いので止めとく。この寺には庭園もあるらしいが普段は公開してなく事前に連絡が必要らしいからまたの機会にしよう。

今度は温泉へ

 美味しい水に満足して温泉に行くことにする。ガイドブックを見るとすぐそばには無さそうなので戻ることになるが、さっき登山口で貰ってきた割引券のある温泉に行くことにする。また裾野方面に走っていくと山の斜面のススキが余りに綺麗なのでそこの駐車場に車を止める。十里木バス停そばだ。ここから越前岳方向に向かって一面のススキ原となっていて見渡す限りのススキだ。素晴らしい光景に感動する。こちらからは傾斜がきつそうだが今度来るときはこのコースで歩いてみよう。少し散策して写真を撮って須山の大野路温泉に向かう。

 何箇所か看板があり迷う事は無い。富士サファリパークを過ぎ少し進むと大野路に到着する。温泉だけかと思っていたら驚いたことにキャンプ場やパターゴルフ、釣堀などのレジャー施設が整っているところだ。早速温泉に向かう。まだ2時過ぎでガラガラだ。広い開放感のある野天風呂に3人しか先客がいないので快適だ。思い切り手足を伸ばす。歩いて張った筋肉が少しずつ柔らかになっていくようだ。そのうち先客がみんな上がり私一人の貸切となる。なんて贅沢なんだろう。のんびりと寛ぐ。  風呂から上がり生ビールを飲む。冷えたグラスのビールが堪らなく旨い。休憩室も空いていて富士山の四季のビデオが有ったからそれを見ながら寛ぐ。ついつい眠り込んでしまいそうだ。

清水を汲んで家路へ

 十分酔いを醒ましてから家に帰ることにする。時間はたっぷり有るから帰りは高速を使わず下道を進む。246は空いていて快適に進むが神奈川に入ると少し込んでくる。山北町あたりで渋滞になり、時間をずらすのに酒水の滝に寄っていく事にする。ここは以前、矢倉岳の帰りに寄ったことがあるが豪快な滝で水が旨い事で有名だ。前に来た時はすごく込んでいた駐車場も夕方になり空いている。車を止め2Lのペットボトル2つを持って滝に向かう。途中のラーメン屋や土産物屋も店じまいだ。滝に到着し水を飲む。旨い。富士の湧水も旨かったがここの水も美味しい。さすが全国名水百選に選ばれる水だ。ペットボトルを満たし、家路に向かう。今日は山にススキ野原、湧水、温泉、名水といろいろ楽しめた。次はどこに遊びに行こうか?


山行データ
山行日: 2002/10/06 曇り
山: 裾野市 黒岳(1087m)越前岳(1504m)
コース&時間: 愛鷹神社(55)黒岳(1:35)越前岳(1:20)愛鷹神社 計16,300歩
同行者: なし
参考ガイドブック: 週刊続日本百名山bW
温泉: 裾野市 大野路
写真: 愛鷹山の写真


前の山行へ
前へ
トップページへ
トップ
次の山行へ
次へ
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送