大菩薩嶺(2003/03/09)単独


金峰山へ

 すっかり里は春らしくなってきたがスタッドレスタイヤと軽アイゼンを着けて行ける山にもう一つくらい行こうと思い、まだ登ってない金峰山を目指す。インターネットで探すとこの時期でも軽アイゼンだけで大丈夫そうだ。コースは大弛峠からにしてみよう。去年の11月に一度行こうとしたが馬鹿なカーナビの案内のままに進んだらとんでもない遠回りになり諦めた経緯がある。今回は塩山市を目的地にセットして自宅を5:30に出る。八王子から高速に乗り勝沼で降り塩山市までは順調に進む。しかし杣口林道の入口が分からず乾徳山入口の徳和の方へ向かったりして何度か迷う。

 やっと杣口林道へ入ることができホッとしたのも束の間、金峰牧場から先は冬季通行止めと書いた看板がある。しかしせっかくここまで来たことだし次に来るときのためにどんな道なのか行ける所まで行って確認しておこう。舗装された林道は除雪してあり快適に走れる。やがて柳平に着き更に進むとすぐに通行止めとなる。ゲートの先は除雪してないから30cmほどの雪が積もっている。通行止め期間は5月1日までと書いてある。

大菩薩へ

 ゲート前に車を止めどこに行くか考える。金峰山は廻目平から入るルートもあるがカーナビでルート表示するとぐるっと川上村経由で相当距離がある。それでは遅くなってしまう。大月まで戻って手軽な百蔵山にしようか?そうだ、大菩薩嶺にしよう。あそこは夏場しか歩いたことがないし雪の時期だとどんな感じか楽しみだ。早速カーナビに上日川峠をセットして走り出す。すぐに右手が開けた所から富士山が良く見える。雲が全くかかってなく車を止め写真を撮る。大菩薩からの展望に期待がかかる。

地図が無い

 暫く走り、青梅街道から嵯峨塩裂石林道に入るまでは順調ですぐに雲峰寺そばの公衆トイレのある駐車場の脇を抜け上に向かうが、その駐車場で山支度をしている人達がいる。ひょっとするとこの上は通行止めだろうか?少し進むとこの先通行止めの看板があり仕方なく先ほどの駐車場まで戻り車を止める。この時期林道の状況は事前に確認しなければならない。入れ違いに先ほどの人達は支度を終え上へ歩いていく。私もトイレにより支度をする。以前夏場に来たときは福ちゃん荘まで車で行ったからここからの登山道は分からずザックから地図を出す。ところが奥秩父の地図には大菩薩までは載っていない。林道を歩けば確実に上日川峠まで行けるだろうがそれでは遠回りになるだろう。地図はないが人気の山だし登山道を間違えることはないだろうと楽観し歩き始める。

車で車道は楽だが

 暫く車道を登っていくと右手を流れる芦倉沢の瀬音が大きくなりゲートを抜けると登山道入口が見えてくる。登山道に入ると土の感触が気持ちいい。少し進むと千石茶屋に到着するが営業はしていない。何人かのハイカーがいて挨拶をして先に進む。道は少し雪混じりだ。次第に雪で白一色になってくるが良く踏まれているから歩きやすい。暫く誰とも会わずに登っていく。大分疲れてきた頃、鈴の音が聞こえたような気がする。更に進んでいくと左上からはっきりと鈴と人の話声が聞こえてくる。車道が近付いてきてそこを歩いている人の声のようだ。すぐに車道と合流すると車道を歩いてきた初老の夫婦と会い挨拶をする。私が車道は長かったでしょうと言うと登山道は雪だから安全な車道を歩いてきたと言う。大分お疲れのようだ。

雪が青暗く

 上日川峠は30人ほどのハイカーがいて賑わっている。ここで軽アイゼンを着ける人も多い。危険な所は無いだろうが滑らないだけ楽だから私もここで軽アイゼンを着ける。福ちゃん荘へ向かう登山道へ入っていくが雪が深く踏み後はすぐに車道へ合流しそのまま車道を進む。20人ほどの団体が前方を歩いていてどこかで抜こうかと思っているとすぐに福ちゃん荘へ到着する。その団体が休んでいる間に私は前へ出て唐松尾根への道を入っていく。暫く静かな雪道を一人で登っていく。天気が良く雪がまぶしい。少し登って振り返ると木の間越しに富士山が見えてくる。少し雲がかかってきたようだ。この辺から急な登りで疲れてくる。だんだん足が上がらなくなるし軽アイゼンをしているのを忘れて踵を浮かせたときに滑ったりしながら登っていく。車で福ちゃん荘まで入るのとは全然体力の消耗が違うのを改めて感じる。どうしても一人だとオーバーペースになり途中からバテてしまう。めまいもしてきて雪景色が青暗く見えてくる。ちょっと体調も悪いようだ。

やっと頂上

 時々休憩してもだんだん息が整うのに時間がかかるようになる。それにしても熊笹というのはどうしてこんなに生命力が強いのだろう。雪のあるところでも伸びていて所々登山道を覆っている所もある。掻き分けながらで歩きにくい。一旦、急登が終わり樹林の中を少し左に進む。そのあと頂上が見えてきてあと少しだ。しかしここからが長い。また急登となり一歩一歩が中々出ない。少し登っては休むの繰り返しをしながら登っていく。振り返ると富士山と上日川ダムが綺麗だ。水を飲むともう殆ど空だ。この時期に登りで1本(500ml)飲むのはいつもより多い。それだけ疲れている証拠だ。よし、あと少しだ。一歩一歩ゆっくりと足を踏み出す。やがて大菩薩嶺との分岐で休んでいる若い3人連れが見えてきて息も絶え絶えに挨拶をする。やっと着いた。

静かな雷岩

 展望のない頂上には寄らずすぐ右手の雷岩に向かう。岩肌は雪で覆われ真っ白だから以前来た時と全然印象が違う。風の強い雷岩の真ん中で景色を楽しむ。富士山には少し雲がかかっているが綺麗だ。手前には左に三ツ峠、右が御坂黒岳だろうか。南アルプスも綺麗に見える。更に右には金峰山方面だろうか。左手には小金沢山方面の尾根が見える。ここから見るとまだまだ2000m以上の山は冬なのを実感できる。夏場に来たときはここは大勢で賑やかだったが今日は三脚を持って写真を撮っている人が一人だけだ。その人もすぐに大菩薩峠の方へ降りていく。

これは良い

 さて、どこでご飯にしようか。風は強いがこの辺はずっと何も遮る物が無い。我慢できないほどではないからやはり展望を楽しみながらここで食べよう。少しだけ後ろに下がり下からの風が直接当たらないあたりを足で雪を踏み締めシートを広げる。座って足の前の雪を足で押しのけていると突然左の太ももがつってしまう。疲れが溜まっているのだ。少し揉むと直るが少し痛い。

 今日は焼き網も持ってきて酒のつまみに海老入りの薩摩揚げのような物を焼こうと思っていたが、そんなのんびりご飯を食べれるような気温ではない。冷たいけどそのまま酒のつまみに食べ始める。旨い。酒で胃の中が熱くなる。その間にご飯を作ることにする。茹でるだけの豚卵丼の元をコンロで暖める。来る途中コンビニで白飯を買おうと思ったが無かったので山菜おにぎりを2個買ってきたのでそれを丼の元を暖めたお湯に入れ掻き崩す。ご飯がほぐれた所で丼の元を入れ豚卵雑炊の出来上がりだ。フーフーしながら食べる。旨い。これは良い。雑炊を山で食べるのは初めてだが寒いときは絶品だ。おにぎりだけだと冷たいしこの食べ方は病み付きになりそうだ。2個でも水分を吸ってかなりのボリュームとなりお腹一杯になる。

2003年記念は?

 食べている間に二人連れが来て近くでご飯の支度をしているが他には誰もいない。静かな展望を十分楽しみ体が冷える前に下ることにする。帰りは大菩薩峠経由だ。ここからは緩やかな道だった筈だ。記憶の通り緩やかな道を下っていく。途中、先ほどの三脚を持ったカメラマンがまた写真を撮っている。寒いから急ぎ足で歩くとアルコールが廻ってフラフラし息も上がってくる。風が先ほどより強く手がかじかんでくる。時々フラフラして踏み後を外しズボッと潜ったりしながら歩いていく。まぁこの道は危ないところは無いから大丈夫だ。やがて2000m地点に着くと2000年に2000mの語呂合わせで経てた記念碑がある。以前、日和見山の会で来たのが丁度2000年でこれから毎年1m標高が高い所に順に記念碑を立てるのかなぁなどと話した事を思い出す。しかしそれ以外は立っていなかった。

山ぶどう羊羹

 そこから大菩薩峠はすぐだ。峠には大勢ハイカーがいて風が強いからここでご飯にしたようだ。介山荘は営業してないようだ。山荘前には若い5人ほどのグループがいて一人が掘った雪の上に仰向けに寝ている。雪洞を掘る練習でもしているのかそれともふざけているだけかもしれない。ここから右に折れ富士見山荘へ向かう。この道も緩やかで歩きやすい。雪景色の中快適に歩いていくと富士見山荘へ到着しここでまた富士山を写真に撮る。すぐに福ちゃん荘に到着し土産は何が良いか探すと山ぶとう羊羹というのが有りそれを買う。6個入で400円だ。どんな味か楽しみだ。(帰ってから食べたらぶどうの味が良い。お勧め)

今日も一杯

 上日川峠まで雪の車道を歩くとロッヂ長兵衛の前に若い3人連れが休んでいる。挨拶をして水場に向かうと水が出ているがそのまわりに弾けた水滴が凍っていて何か人工のオブジェのようになっている。ザックからカップを外して水を飲んでみる。旨い。ここからまた登山道を左に降りていく。朝は雪があったが大分解けていて所々土が出ていて軽アイゼンが泥だらけになる。暫く降りていくと車道に出てここで軽アイゼンとスパッツを外す。千石茶屋の前を過ぎゲートを過ぎて下っていくとやがて駐車場に到着する。随分長い道程だった。車で降りるとすぐに大菩薩の湯に着く。駐車場は空いている。この時期はここまで来る観光客は少ないのだろう。湯船に浸かるとホッとする。露天風呂、サウナと入り上がってから休憩室で枝豆をつまみに生ビールを飲む。旨い。今日も一日良い山行となった。


山行データ
山行日: 2003/03/09 晴れ
山: 塩山市 大菩薩嶺(2,057m)
コース&時間: 駐車場(9:35)千石茶屋(9:55)上日川峠(11:00,11:10)福ちゃん荘(11:30)雷岩(12:30,13:15)大菩薩峠(13:45)福ちゃん荘(14:15)上日川峠(14:35)登山口(15:20) 歩行数 約20,000歩
同行者: なし
参考ガイドブック: なし
温泉: 塩山市 大菩薩の湯
写真: 大菩薩嶺の写真


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