御正体山(2003/03/23)単独


展望の無い山へ

 金曜日の天気予報では日曜日は午前中は曇りで午後から天気が回復するらしい。それでは前々から行きたかった道志の御正体山へ行ってみよう。どのガイドブックを見ても一等三角点の山だが展望が無いと書かれていて、どうしても展望の良い山へ優先して行っていたため中々行く機会がなかったのだ。曇りであれば丁度良い。それと先日買った6本爪のアイゼンを試してみるにも丁度良さそうだ。今まで4本爪の掌サイズの軽アイゼンしか持ってなかったが、もう少ししっかりしたのが欲しくて買い物に行ったが8本や12本など高くて手が出ず、結局6本爪となった。それでも今までのと比べるとかなりごつくて頼りになりそうだ。

 さてコースはどこにしようか?色んなコースがあるが北向であれば雪が安定して歩きやすそうだから三輪神社コースにする。林道の途中まで車で入れそうで楽そうでもある。

晴れなのに雨?

 日曜日の朝5時に目覚ましをセットするが起きれず7時に家を出発する。天気は早く回復して朝から晴れだ。道志から都留への道は除雪してあるが日陰では濡れた所が凍っているようにも見え慎重に運転する。やがて三輪神社が見えてきてそこの林道を左折する。少し登って行き民家が途切れてから急に雪道となる。丁度その雪道に差し掛かったところで女性のハイカー(以下Aさん)がいてアイゼンを付けている。もっと先まで車で行けるか聞いてみたが知らないらしい。

 少し進むが雪で滑って進めない。轍の跡はあるのだが4駆でないと無理そうだ。仕方なく少し戻って5台程駐車できそうな空き地を見つけそこに駐車する。車を降りると暖かい。天気予報では横浜では15度を越えると言っていた。山道はどのくらい雪があるんだろうか?スパッツをして歩き出す。先ほど引き返した所から雪道になるがまだアイゼンをするほどではない。暫く林道を歩いていくと杉の樹上に積もった雪が解けて雨だれのようにポタポタ落ちてくる。傘が欲しいほどだ。

6本爪アイゼン

 道の雪は柔らかくて滑りやすいため歩きにくい。北向で暗い道かと思っていたが葉が落ちているから意外と日が差し込んでいるのだ。少し進むと川を渡りここから急な登りとなってくる。しばらくそのまま歩くがずるずる滑って一向に進まずアイゼンを付けることにする。事前に靴に付ける練習をしようと思っていたが思うだけでやってない。ベルトをグルット2箇所通すだけで意外と簡単に装着できたがベルトが長くて余ってしまう。それを足に引っ掛けないように折り返して邪魔にならない所に通す。やはり家で試して余計なベルトは詰めて来れば良かった。帰ってからやってみよう。

 さて歩き出すと今まで使っていた4本爪より爪の高さが高いだけ足が浮いた感じがする。しかし少し歩くと慣れてきて非常に安定している。

急な登り

 急な登りを黙々と歩いて行く。いつものように一人だとハイペースですぐ息が上がってしまう。ヘアピン状に大きく2回曲がると低木になってきて視界が開けてくる。ガイドブックでは展望のない山と紹介されていて何となく延々と暗い樹林の中を登るものと思っていたから意外だ。やがて前方に先ほど林道でアイゼンを付けていたAさんが見えて来る。しかし暫く歩いても全然差が詰まらない。疲れてきてペースが上がらないのだ。

 更に登っていきやっと追い付く。挨拶をして先へ進む。このルートは急な登りが続いて単調だ。やがて左側が開けて御正体山から道坂峠への稜線や更に左には今倉山が見えて来る。地図を見るとここから鹿留分岐までまだ50分もあるようだ。少し景色を眺めてから先へ進む。単調で変化の無い道を黙々と登っていく。途中で今日始めて上から降りてくる単独の人と会う。山頂の様子を尋ねると誰もいなかったらしい。はやり展望のない山は人気が無いようだ。足が段々重くなり辛くなってくる。

8本爪アイゼン

 何度か休憩しながらやっと鹿留分岐まで到着する。やっと平らな所に出てほっとする。ザックを降ろし、鹿留林道の方に少し進むと踏み跡がありこちらのルートも結構歩いている人がいるようだ。暫く休憩し地図を再確認して頂上へ向かって歩き出す。ここからは一旦少し下っていく。下りは楽なはずなのに膝に力が入らず片側が切れ落ちている狭い道だから少し緊張する。すぐに少し登り返すと峰神社の祠と標識がある。

 この辺からすっかり景色が変わりブナの林となり木に着いた雪がたっぷりで綺麗で良い雰囲気だ。ここからやっと前方に頂上らしいピークが見えて来る。上空には雲が厚くなってきて随分大ぶりな雪が降って来る。雪になったかと思ったら風で木に着いた雪が落ちてきただけだ。暫く本当に降っているようにバラバラと落ちてくる。またきつい登りとなり、息と足が辛い。

 上から今日すれ違う二人目の人が降りてくる。随分早いペースで降りてくるから足元を見ると爪先まで刃のある8本爪以上のアイゼンだ。やはり下りで快適に歩くにはあのくらいが必要なのかと早くも後悔してしまう。しかしそんな幾つも買える程安い物ではない。

三角点

 更に登っていくと奥ノ岳からの稜線も近づいてきて山頂が近いのを感じると、あと少しだと気合が入る。しかし思いとは裏腹に少しの距離なのに足が上がらずしんどい。急坂を登っていくとやっと平坦になり人の話し声が聞こえてくる。やっと頂上だ。殆ど人はいないかと思っていたが3人連れと単独の人がいる。どこから来たのか聞いてみると3人連れは白井平からで3時間弱、単独の人は道坂峠からで藪も無く歩きやすく3時間ちょっとだと言う。どのコースからでもそこそこ歩き応えがありそうだ。

 展望はガイドブックどおりで全く無いが小広い山頂は気持ち良い。ザックを置いて水を飲む。赤い屋根の祠があるが半分雪に埋まっている。三角点も埋まっているが3人連れの一人がストックで雪を掘り始め暫くして赤い三角点が顔を出す。私は三角点にはこだわりはないが気になる人もいるようだ。

今日のランチ

 崩れかかった雪だるまのそばにシートを広げてご飯にする。今日は生の餃子とフリーズドライの雑煮を持ってきたのだ。お湯を沸かし餃子を入れて茹でる。皮が透けてきたところで火を止めタレを付けて食べてみる。旨い。これは良い。寒い山頂で食べるには持って来いだ。鹿留分岐まで急な下りと登りがあるから今日はアルコールは我慢する。

 食べていると他にも何人かハイカーがやってくる。Aさんもやってきて先に来ていた人と話をしている。次に雑煮を食べることにする。乾燥した餅4個(とても小さい)とスープが2セット入っているが全部入れて茹でる。3,4分茹でるが餅の表面は柔らかくなるのだが中が硬いままだ。もう少し茹でて食べるが中はやはり硬いままだがもっと煮ると表面が解けてしまう。仕方なくそのまま食べる。以前、同じシリーズでお汁粉を食べたことがあるが同じだった。フリーズドライの食品は軽くて良いのだが味や食感は今一だ。今度は焼き網と薄切りの餅を持ってきて焼いてみよう。その方が絶対旨いだろう。

予想に反して

 さて、次の山行目的も決まったことだし下ることにしよう。もちろん来た道をピストンだ。ジャケットを脱いで歩き出すと少し寒い。手袋をしているが手もかじかんでくる。しかし歩いている内に体も温まってきて快適な下りとなる。すぐに少し登り返すと鹿留分岐に到着する。ここで水を飲み一息入れ更に下っていく。午後になり雪が柔らかくなってきてアイゼンをしていてもずるずる滑って勢いが付いてしまう。余り調子に乗りすぎると雪がクッションになっているとはいえ、膝を痛めるからストックでセーブしながら降りていく。辛かった登りも帰りは楽だ。

 今倉山の展望地を過ぎると左に曲がり樹林に入っていくと少し暗くなるが、雪だから暗すぎることは無い。段々単調な下りに飽きてきた頃川に出て、渡って少し進むと林道に出る。アイゼンを外して緩んだ雪の林道を歩いていき雪が消えるとすぐ民家が見えてきて駐車場に到着する。雪のためか予想に反して明るい山歩きを楽しむことが出来た事に満足する。

今日ものんびり

 窓を開けながら林道を下りガイドブックに書いてある登山道入口の湧水地を探すが見当たらない。どうやら無くなってしまったようだ。仕方なく道の駅道志に向かう。ところが着いてみると異様に混んでいて駐車待ちだ。なぜこんなに混んでいるのだろうか?三連休の最終日でみんな遊びに行った帰りなのだろうか?

 少し待って駐車し、車に積んだ1.5Lのペットボトルに湧水を満たし、そばと団子を土産に買って道志の湯に向かう。こちらも混んでいるかと思ったが駐車場も空いていて以外だ。最近はあちこちに公共の温泉施設が出来ているからここの人気は下がっているのかもしれない。風呂の中も空いていて内湯、露天ともゆったり浸かることが出来て気持ちいい。後はのんびり家路に向かおう。


山行データ
山行日: 2003/03/23 晴れのち曇り
山: 都留市 御正体山(1,682m)
コース&時間: 駐車場(9:15)仏ヶ沢(9:50)今倉山展望地(10:25)鹿留分岐(11:20)頂上(11:50,12:35)、鹿留分岐(12:55)今倉山展望地(13:20)仏ヶ沢(13:40)駐車場(14:05) 19,100歩
同行者: なし
参考ガイドブック: 週間続日本百名山8、登山・ハイキング19丹沢山塊
温泉: 道志村 道志の湯
写真: 御正体山の写真


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