日和見山の会リーダのkenさんより4月29日どこに行きたいかリクエストの案内が来る。この会ではだいたいkenさんが行先の山を決めるが会員からのリクエストを募ることも多い。私は道志方面の山は最高峰の御正体山に行ったが、他は行ってないから今回は鳥ノ胸山、大室山、加入道山などをリクエストする。するとコースの短い鳥ノ胸山となった。道志方面はアクセスが悪いが私が車を出す事にし、参加予定者も増えもう一台、里さんが車を出す事で９人の参加予定となった。

　当日朝、車からチャイルドシート、ジュニアシートを外して7時に家を出る。集合は8時半だが飛び石とはいえＧＷだから渋滞があるかもしれないので早めの出発とする。しかしまだ渋滞は無く8時に橋本駅南口に到着する。まだ30分時間があるからぶらぶらしていると里さんが歩道を歩いてくる。里さんと会うのは前回の天狗岩以来で2回目だ。

　聞くと1時間も早く着いたらしい。集合場所は橋本駅南口としていたが他の人は電車だからＪＲの改札前でしばらく待つ。やがて全員集まり２台の車に分乗し道の駅道志に向かう。今日の参加者はkenさん、里さん、ＨＫさん、たーさん、国さん、渡さん、梅さん、中さんだ。今回は９人と多い。花粉の時期も過ぎ暖かくなってきたからか。

　津久井湖を抜けるまでは少し混んでいたが道志道に入ると信号のない道は快適なドライブコースとなる。山に挟まれた道は新緑の中を進み少しずつ山深く入っていく。ＨＫさん、中さんとも道志には来たことがなかったようで随分山深い様子に静かで良い雰囲気だと気に入ったようだ。ＨＫさんは早くもお腹が空いたようでおにぎりを２個食べる。きっと朝食べてこなかったのだろう（後で聞いたらしっかり食べてきたらしい）。暫くワインディングをうねうねと走っているとＨＫさんは食べ過ぎて気持悪くなったと言って窓を開ける。今日はすっかり暖かく窓から吹き込む風が気持いい。

　都留の分岐を過ぎるとすぐに目的地の道の駅道志に到着する。しかし混んでいて少し待ち、係りの人の誘導で空いたスペースに止める。これだけ混んでいるとここに一日止めて山に行くのは気が引ける。kenさんと相談し少し休憩したらキャンプ場まで進むことにする。私はいつものように車に積んでいたペットボトルを持ち湧水の所に行くと、今日も何本もペットボトルを持った水汲みの人がいたがちょっと譲ってもらい水を汲む。

　少し休みキャンプ場に進む。以前来たことのあるkenさんの案内で一旦国道に戻り少し進んだところを左に曲がり暫く走るとキャンプ場に到着する。右側に広い駐車スペースがありそこに止めると上のロッジから声が掛かり駐車料金500円だという。子供が降りてきて代金を渡す。

　各自支度をしてkenさんを先頭に林道を進む。暫く南へ進むと左手に登山道があり、いよいよ山登りだ。いきなりの急登となり、ゆっくりペースで進んでいく。鳥ノ胸山とはどういった由来の山名なんだろうなどと話しながらジグザクに歩いていくと尾根道と合流し、そこで一休みする。少し緩くはなったが相変わらず急で展望の無い道を登っていく。他には誰もいなくて静かだ。ときおり鳴くウグイスの声を聞きながら歩いていくと、やがて小さな岩があり開けているところに到着する。振り返ると富士山がかろうじて見える。少し樹林が開けてきたから風が吹いて心地良い。今日は霞んでいるから見えないかと思っていたが少しでも見えると嬉しい。地図を見るとこれが岩のあるコルだろうか？そんな鞍部でもないのだが。

　少し休んで更に登っていく。体調しだいで途中で引き返そうかと言っていたＨＫさんもしっかり付いて来る。山のあちこちには山桜が綺麗だ。道端にはときどきスミレも咲いていてＨＫさんによるとスミレサイシンらしい。 地図を見ると道志の湯分岐までもう少しのようだ。やがて前方に人影が見えて来る。今日始めての他のグループだ。すぐに道志の湯方面の標識がある分岐に到着する。ここからは北にこれから向かう頂上が見えるが一旦だいぶ下るようだ。少し休憩し下り始める。

　少し進むと4人ほどのグループが休んでいる。先ほど前方に見えた人たちのようだ。今日始めての挨拶をして先へ進む。暫く下ると今度は急な登りとなる。すぐに頂上らしいピークに着くがここは南峰のようだ。更に進むと一旦少し下りまた急登となる。木に捕まったりしながら登っていくと今日初めてのすれ違う人たちが降りてくる。狭い場所で道を譲ってもらいながら一歩一歩進んでいくとやっと前方に頂上が見えて来る。あと一息だ。すぐに誰もいない北峰頂上に到着する。

　頂上からは白く霞んではいるが富士山が見える。良かった。皆で暫く景色を眺める。記念写真をしていると先ほどのグループがやってきて全員の記念写真を撮ってもらう。その後四角く囲われたベンチに座りご飯にする。お互い漬物や野菜、ビールなどを交換しながら食べる。天気が良く風もあり富士山も見える山頂で食べるご飯は格別旨い。ゆっくり昼寝でもしたい陽気だが遠くからの人もいるから一休みして帰ることにする。下りは反対に北西に向かうルートを取る。最初は急な階段が続くがすぐに緩やかな道になる。地図を見る限りではもっとずっと急な道が続くかと思っていたから意外だ。

　暫く下っていくと林道歩きとなり、道端の花などを見ながらのんびり歩く。道の駅道志が見えてきたあたりでＨＫさんを残し、駐車してある道志の森キャンプ場まで舗装路を歩く。この辺の家はさすがに庭が広く都会の兎小屋に住む我々には羨ましい限りだ。綺麗な花が一杯咲いている庭の木々を眺めていると前方からその家の住人らしい犬の散歩帰りの人がやってきて「何か御用ですか？人の庭をじろじろ見ないで下さい！」とつっけんどんに言って家に入っていく。我々一同唖然！返す言葉もなく暫く立ち竦んでしまった。まぁ、確かに家の中を覗かれるようでいやな思いもあるのかもしれないがこんなことは初めてだ。気を取り直して駐車場に向かう。

　駐車場に着くとほっとする。靴を履き替え道の駅道志に向かう。行ってみると混雑しているが何とか駐車しＨＫさんを探す。あちこち探すが見えない。どこに行ったんだろう？そのうち川沿いの歩道で落ち合う。話を聞くと分かりやすいように駐車場の入り口に居たらしいが全く気が付かなかった。各自土産物などを買って道志の湯へ向かう。国道を少し戻って看板を右に折れ上っていくとすぐに到着する。駐車場も空きがあり混んでないようだ。

　中に入り500円払い浴場に向かう。洗い場が込んでいたが内風呂、露天ともそんなに混んでなく足を伸ばして寛ぐ。のぼせない程度に切り上げて休憩室へ行き、ビールを我慢してコーラを飲む。他の人たちも運転手の私と里さんに気兼ねしてビールは我慢している。遠慮しなくても良いのにと言ったが皆で我慢だ。休んでいると何やらつるつると麺を啜る音がして、テーブルの端を見るとＨＫさんが美味しそうにうどんを食べている。よく食べる人だ。聞くと今日は暴食日らしい。

　道志の湯を出て橋本駅に向かう。今日参加の人たちは道志方面の山は初めての人が多く、丹沢や奥多摩に比べて山深い静かな山が気に入ったようだ。私自身も道志の山はまだ余り登ってないから単独でもこの会でもまた来てみたいなどと思いながら車を走らせる。暫く渋滞もなく進むが津久井湖のあたりから少し込んでくる。やはり連休の中でいつもの日曜日よりは交通量が多いようだ。それでも後ろのスピーカより流れる賑やかな中国語講座をステレオで聞いていると飽きることが無い。やがて大きな渋滞もなく橋本駅に到着し解散となる。皆さん、お疲れ様でした。それでは。