天城山(2003/05/17)子連れ


石楠花を見に

 随分と家族連れでは山に行ってない。神さんや一姫が喜ぶ花の咲く山へ行こう。この時期なら石楠花で有名な天城山が良さそうだ。ガイドブックを見ると標高差は無いし3歳の二太郎連れでも歩けるだろう。天気予報では曇りで降水確率40%。展望は期待できないが花を見るだけなら大丈夫だろう。

 土曜日の朝5時半に起きて準備をする。この時期は特に人気の山だから早発ちが鉄則だ。途中で二太郎をおんぶすることになるかもしれないから今日は荷物を極力減らして6時に家を出る。途中コンビニに寄り車中でご飯を食べながら、厚木から小田原厚木道路に入り西湘バイパス、真鶴道路を経て天城高原に向かう。早く出てきたから心配していた渋滞もなく快適だ。しかし心配は雨だ。小雨が家を出てからずっと降っていて一向にやむ気配が無い。車には傘が二本あるが五人では足りない。またコンビニに寄り傘を一本買い目的地そばの天城ゴルフ場を目指す。

ヌーッと現れる

 伊東から天城高原方面の道に入ると、とたんに交通量が無くなる。高度を上げ始めると霧が濃くなってきて前が見難くなる。速度を落として慎重に進む。回りの景色が真っ白で幽玄的な趣だ。暫くは1台前にマイクロバスがいて石楠花を見に来た観光客かと思っていたが途中の分岐を右にそれると周りは全く車がなく我が家だけが霧の中に取り残されたようだ。暫く寂しい道を走っていくとやがて前に1台見えてきてその後ろを付いて行く。そんな状態で真っ白な霧の中を更にくねくねと走っていると一太郎が気持悪くなったようだ。しかしもうすぐ目的地のはずだから少し辛抱してもらう。時々反対車線から車が乳白色の霧の中からヌーッと現れてびっくりする。この人達はゴルフ場に向かったのに霧で諦め引き返してきたのだろうか?

泥だらけ

 やがて霧の中に天城連山駐車場と書いた標識があり、そこを左に折れると今までの寂しい交通量が嘘のように広い駐車場は6割方埋まっていてスパッツ、レインウェア、傘と完全装備のハイカーが銘々支度をしている。大勢の人の姿を見るとホッとする。これで天気が良かったらこの時間でも一杯だったかもしれない。車を止め外に出るが一太郎は真っ青のままだ。少し休んでいると大分気分が良くなったと言うのでトイレに寄り傘を3本持って登山道に向かう。

 駐車場の反対側にすぐ登山道入り口がありそこから緩い下り坂となる。少し歩くと平坦な道になり広くて歩きやすい道だ。小雨が相変わらず降っているが林の中は雨が当たらず快適に歩ける。しかし道は所々泥んこになっていて靴がすぐに泥だらけになる。私は登山靴を持っているが今日は家族連れだし標高差は無いからと安心し街中を歩く靴で来たのが失敗だった。家族はもともと登山靴など持っていないからすぐに全員泥だらけとなる。

団体ツアー

 水溜りなどあると二太郎がわざと入ってバシャバシャ遊びたがるから手を引いて歩くのが大変だ。それでも水溜り以外では山道を歩くのは好きらしくニコニコしながらご機嫌に歩いてくれるから楽だ。霧雨の中新緑が一層引き立ち雨の中を歩くのも良いものだ。久しぶりに参加した神さんや一姫も森の雰囲気が気に入ったようだ。30分ほどで万二郎岳との分岐に到着する。コースタイムでは15分と書いてあるから倍かかったことになる。

 ここからは標高差の少ない涸沢分岐方面へ直接向かう。途中、歩いていくと前方からもう降りてくる人達がいる。一体何時に出かけてきたのだろう?何人かすれ違った後、団体がやってくる。道を譲ろうとすると先頭の人が100人いるから遠慮なくどうぞと言ってすれ違う。道はそんなに狭くないからすれ違いながら進んでいく。一太郎が何人いるか数えている。延々とすれ違いをしながら進んでいくと最後に旗を持った旅行の添乗員だろうか仕事だからしょうかないといった感じの全然楽しそうでない若い人が通る。一太郎のカウントでは100人ちょっといたらしい。

今年は駄目?

 途中、倒木のある道を迂回して歩いていくと右側が崩れているところにさしかかる。高さはそんなにないが二太郎の手を引きながら慎重に通過する。また少し歩くと木の橋がかけてある所に出て一姫が少し怖がるが何とか通過する。更に進んでいくとだんだん右側が切れ落ちていて小さな子連れでは少し緊張する道になる。少し進み水場と書いた広い場所に出たところで休憩し地図を見る。涸沢分岐はまだだ。だいぶ歩いたし時間は早いがここでご飯にする。ご飯とお菓子を食べ、神さんと進むかどうか相談する。ちょっと小さな子連れで歩くには厳しそうだ。靴も町用のものだから滑りやすいところでは安定感がない。

 涸沢方面からやってきた三脚を持っている人に石楠花の様子を聞くと去年は当たり年だったけど今年は去年の5%ほどしかないと言う。そんなに少ないのか?涸沢分岐から万三郎岳に登っていく道に入るとちらほらとは咲いているらしい。また神さんと相談するがせっかくここまで来たからには少しでも見てみたいと言う。子供達も異存はないようで出かけることにする。もう二太郎の手を引いて歩くのは危険そうだから私がおんぶ紐で背中にくくりつける。それを見ていた周りの人からは小さいのに頑張ってるね、とかお父さんは大変だねなどと声が掛かる。

やっと一株

 足取りは重くなったが手を引く不安からは開放され涸沢分岐に向かい歩いて行く。所々ツツジが咲いている所があるがまだ石楠花は見られない。少し歩くとまた崩壊地に梯子のある個所があり慎重に渡る。更に進んでいくが相変わらず右側は谷になっており歩きなれた人なら何とはない箇所だが子供連れだとだんだん不安になってくる。不安になるともう即断で引き返す事にする。事故でも起こしたら大変だ。丁度引き返すことを決めた地点でふと左手の山側を見ると少し上に何と石楠花が咲いているではないか。嬉しい。一株だけでも自然の花が見れてここまで来た甲斐がある。神さんや子供達も喜んで一株だけの石楠花を目に焼き付け、もと来た道を引き返す。

 途中の梯子や崩壊地だけ慎重に過ぎるとあとは歩きやすい道だけだから二太郎を下ろして歩かせる。とたんにペースは遅くなるが急ぐ必要な無い。二太郎も皆のように何かを背負いたいらしく神さんが冗談でゴミ袋を背負わせると喜んで歩いていく。霧雨で濡れた新緑をゆっくりと楽しみながら駐車場に向かう。最初の崩壊地に差し掛かりまたおんぶするのも面倒だから抱っこして渡ると万二郎岳分岐はすぐだ。そういえば全員の写真を撮っていないことを思い出しこの分岐で写真を撮る。更に歩いていくとバスのアイドリングの音が聞こえてきて駐車場に到着する。トイレ前に足洗い場があり、ドロドロになった靴の泥を落として車に乗る。

海を見ながら

 歩いているときは全然気にならなかった霧だが、車のスピードだととたんに白く霞んで見える。フォグライトを点けてゆっくり下っていく。海岸が近づいてくるとようやく視界が開けてくる。海岸線に出ると右に少し進み熱川温泉にある町営の波打ち際にある高磯の湯に向かう。熱川温泉の街中を抜け海岸に出て少し左に進むと目当ての温泉に到着する。駐車場はないので更に少し進み空き地に車を止め温泉に向かう。

 受付で500円払い中に入ると大人用から幼児用までの大小3つのプールがある横を抜け温泉に入る。簡単な脱衣所がありその横の広い風呂に入る。空いていて客は3人しか入っていない。海が目の前で雄大な景色を眺めながらの温泉に大満足。一太郎と一緒に湯に浸かりながら穏やかな海を暫く眺める。そんなに熱くもなく丁度良い湯加減だ。洗い場は石鹸、シャンプー禁止となっている。洗い湯がそのまま海に流れるから当然だろう。お湯だけでも簡単に体と頭を洗うと十分さっぱりする。

 風呂から出て後は帰るだけだ。途中で温泉饅頭でも土産に買っていこう。今回は引き返したのが少し残念だったが何より安全第一だ。二太郎がもう少し大きくなったらまた家族全員で来てみよう。


山行データ
山行日: 2003/05/17 小雨
山: 伊豆 天城山(1,405m) 途中まで
コース&時間: 駐車場(9:50)万二郎岳分岐(10:20)涸沢分岐手前(11:45)駐車場(13:20)
同行者: 神さん、一姫、一太郎、二太郎
参考ガイドブック: 山と高原地図30伊豆
温泉: 熱川温泉 高磯の湯
写真: 天城山の写真


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