男体山(2003/08/02,03)グループ


出発前日

 今回の日和見山の会での山行はいつものようなkenさんからの発案でなく、メンバーの冷凍みかんさんからだ。6月に大山三峰へ行ったときに冷凍みかんさんから男体山で夜間登山が毎年夏祭りの時だけできるから行きたいと言っていたのが具体的になり、いよいよ明日8月2日出発となったのである。私も早めに参加表明をしていたのだが、気がかりは最近仕事が忙しく土曜出勤も増えてきたからどうなるかと思っており、車を出すつもりでいたのを行けなくなって迷惑を掛けるのも悪いと思い八王子集合組の横田さんにお願いしていたのだ。しかし行けるのが確実になり急遽横田さんにやはり4ドアの私の車を出そうかとメールする。

会えるか!?

 8月2日朝、メールをチェックすると横田さんから了解のメールを受ける。これで気がかりは無くなり午前中に買い物を済ませ夕方まで仮眠することにする。今回の山行は0時ごろから登り始め5時前のご来光を見るために夜中歩く予定なのだ。少しでも眠ろうと努めるが子供はうるさいしそんな急に昼間眠れるものではない。それでも3時間ほど横になり体力を温存する。夕方起きて支度をする。山に行くのは久しぶりで体力が持つか心配だ。集合は19時八王子だが余裕を持って17時に出発する。八王子までは空いている時間なら40分のところ1時間40分かかり駅前に向かうとビックリ。なんと八王子祭りで駅前はごった返しているではないか!

 駅のそばの駐車場に何とか空きを見つけて駐車し、東急スクエアに向かう。道路も広場も人・人・人。すごい数だ。左さんとは大山三峰で一回会っただけで果たして分かるだろうか?今更携帯番号を教えておけばよかったと後悔しても遅い。広場の中を行ったり来たりして大きなザックを担いだ人を探す。そのうち横田さんを見つける。今度は二人で探すが横田さんは左さんとは初対面だからとりあえず大きなザックを担いだ人を探す。しかし程なく左さんを見つけやっと再開できた。左さんは私がザックを持ってなくしかもボサボサ頭でなくスポーツ刈になっていたのでなかなか分からなかったらしい。

祝い酒が・・・

 さて、コンビニに寄り駐車場から出発する。道路は混雑しており駅前の喧騒を抜けるのに時間がかかる。カーナビでは中央高速に乗り首都高経由で東北道に乗る案内になっているが横田さんの案内で日ノ出から県央道経由で関越に入り東松山で下に降りて鴻巣市を抜けて加須ICから東北道に乗り直す。この方が遠回りだが時間はかからないらしい。宇都宮から日光宇都宮道路に乗り換え中禅寺湖を目指す。さすがにこの時間だとガラガラで観光地に向かう道路とは思えないほどだ。途中でkenさんから電話があり千葉組は小山でいわさんと合流し、もう少しで現地に着くらしい。今まで殆ど交通量は無かったがいろは坂に入ると急に交通量が増えてくる。この人たちも男体山に登るのだろうか?やがて中禅寺湖が見えてきて県営駐車場でkenさんたちと合流する。kenさん、冷凍みかんさん、いわさんの3人だけだ。たーさんは何かトラブルで来れなくなったらしい。残念。頂上での祝い酒が遠のく。

いよいよ出発

 神社では登拝祭をやっていて太鼓が賑やかだ。時間は23時、八王子から4時間で着いたことになる。はやり東京より肌寒い。フリースを着ると丁度良いくらいだ。出発は0時からだから車の中でシートを倒し少し横になる。すぐに時間になり身支度をしていよいよ出発だ。

 買ってから一度も使ったことの無いヘッドランプを頭に付ける。何だか目の上のたんこぶみたいで煩わしい。階段を上がり境内に入ると祭りの提灯が煌煌と明るい。また階段を上がり門をくぐると登拝の受付があり、登拝料1,000円を払う。お守りを受け取り登山道で注意が必要な点を教えてもらい登山道に向かう。しばらく道の所々に灯かりがありヘッドランプは不要だ。しかしそれらの灯かりが無くなると真っ暗になる。ヘッドランプにスイッチを入れ足元を照らしてみる。なるほど頭の動きで自分の見たい個所を照らせて便利だ。両手が使えるから岩場などに行ったら威力を発揮しそうだ。大勢で登っているから自分の足元だけでなく周りが明るいから歩きやすい。これが一人だったらかなり緊張するだろう。

退屈しのぎ

 しばらく歩いていくと3合目に着き舗装路となる。やはりヘッドライトで山道を歩くのは緊張を強いられていてやっとほっとする。普段なら山に来て舗装路を歩くのは嫌いなのだが状況によるものだ。一番後ろを歩いていると振り向くと真っ暗で都会ではありえない真の闇だ。上を見ると満天の星がすばらしい。この辺までくると町の明かりが届かないから天の川がはっきり見える。その舗装路も歩きやすいと思ったのも束の間、すぐに飽いてくる。景色が何も見えないから退屈するしどれだけ歩いたのか分からない。しかも単調で眠くなってくる。横田さんが退屈しのぎにいろいろ山とは関係ない歌をいろいろ歌ってくれ皆を笑わせてくれる。そんなふうにして進んでいくと大きな石の鳥居が現れ4合目に到着する。

夏みかん

 ここで休憩とする。荷物を降ろしヘッドライトを消して上を見ると天の川がはっきり見える。綺麗だ。横田さんは物知りでいくつも星の説明をしてくれる。もっとも聞いてもすぐ忘れるのだが。十分休憩を取ってから再出発だ。道は段段険しくなり、大きな岩がゴロゴロしていてとても歩きにくい。先頭を行くkenさんも乏しいヘッドライトの灯かりで赤い矢印を探すのは難しいようだ。時々立ち止まり方向を確認する。それでも大勢いるからいろんな個所を照らすことができ矢印を探すのに時間はかからない。これが一人だったら相当大変なんだろう。

 やっと先方に小屋が見えてくる。5合目小屋だ。中に入りほっとする。誰もいないから我々6人入っても余裕だ。まだまだやっと半分だ。左さんが地図を見て「えーっ、まだ半分も歩いてない!」と言う。標高で言えば5合目だが歩く時間はここまでの1.5倍近くあるようだ。果たしてご来光に間に合うのか少し不安になってくる。気を取り直しまた歩き出す。冷凍みかんさんは元気だ。ハンドルネームは冷凍みかん(前はみかんだったが暫く山を離れていて冷凍と付けたようだ)だがこれだけ元気なら夏みかんに改名したほうが良さそうだ。

名古屋の歌

 相変わらず横田さんは元気に歌いながら歩いていく。いつもはきのこ探しをしながら歩くのだが真っ暗だからその元気を歌に回しているようだ。それにしても夜道は退屈だ。岩場で足元に注意しながらの登りだがだんだん眠くなってくる。ヘッドライトのバンドで頭痛もしてきて注意力が散漫になってくる。だらだらと惰性で登っていく。真っ暗で展望がないから何合目かの標識だけがどのくらい登ったかの目安になる。しかし6合目を過ぎてからが長い。迂回路などがあり、なかなか進まない。やっと7合目を過ぎ更に登っていく。そろそろ8合目かと思ったら何と7.5合目と書いてある。まだまだだ。だんだんkenさんのペースも遅くなってくる。やはり先頭を歩くのはルートを探しながらで大変そうだ。横田さんがみんなを力付けるために名古屋の歌という名古屋人気質を面白おかしく歌った歌を歌う。しかし力付けるどころかおかしくてお腹と足に力が入らない。

やっと頂上

 やっと8合目を過ぎる。だんだん頭上の視界が広がってくる。心なしか空も明るくなってきたようだ。更に登っていくとそのうち鳥の鳴き声が聞こえてくる。そろそろ夜明けが近づいているのだ。急がないと。9合目を過ぎると道は広く崩れやすい赤土になってくる。やっと頂上が見えてくる。時間的にはそろそろ日ノ出だが東には少し雲があるからまだのようだ。だんだん東の空が明るくなってくる。体力的には限界に近いが何とか気力を振り絞って上を目指す。頂上のすぐ手前で東側が開けたところから朝日が見える。少しだけ間に合わなかったが雲から出て間もない朝日を見ることができた。下を見ると戦場ヶ原には霧が立ち込め、その横には大きな中禅寺湖がくっきり見える。ぐるっと景色を楽しみ頂上へ向かう。やっと着いた。頂上には何岩だろうか大きな岩や神社、二荒山大神像などがある。

寒い!

 今まで風は殆ど感じなかったがやはり頂上は遮る物がないから風が強い。全員揃ったところで右の方へ進む。売店で値段を見るとコーヒー200円、カップラーメン300円だ。石室横の広場では既に大勢の人たちが朝ご飯を食べている。テントが2貼りあり、その人たちは食料をたくさん持ってきたようで分担して料理をしている。それだけの荷物を分担して持ってくるのは大変だったのだろう。我々は展望の良い南面に腰をおろし各自持ってきた朝ご飯とする。寒い。寒すぎる。半袖のTシャツ、半袖シャツ、フリース、レイアンウェアを着てもまだ寒い。寒いのは想像していたがここまで寒いとは思わなかった。それでもご飯を食べると少しは暖かくなる。熱いものが飲みたいが荷物になるから今日はガス、コンロは持って来なかったのだ。他のメンバーも同様、誰も持ってきてない。岩さんは売店で買ってきたコーヒーをおいしそうに飲んでいる。

展望

 寒いから皆さっさとご飯を食べ、荷物を置いて東へ進む。そちらへは影向石とか天に向かって突き上げるような剣が立っていて記念写真を撮る。一通り景色を眺めてから奥社の前を通り今度は西側へ進む。こちらからは太郎山や真砂子山などが綺麗に見える。何日も休みが取れればこれらの山にも登ってみたいものだ。展望図には色んな山が書かれているが残念ながら富士山は見えない。ここから見えたらきっと感動的だろう。中禅寺湖の方を見ると先ほど登ってくるときに見たより日が昇ったため更に綺麗に見える。戦場ヶ原も霧が晴れてきて緑が綺麗だ。一通り展望を楽しみ下る事にする。

抜きつ抜かれつ

 帰りは来た道を戻る。下りも長いから膝を痛めないようゆっくり歩く。下からぞろぞろとこれから山頂を目指す人々が登ってくる。横田さんは明るくなって今度はきのこを探しながら降りていく。所々きのこは生えているが見るからに食べれそうに無いのが殆どだ。しかし時々食べれるいぐちというきのこを採って今度はあまり歌を歌う余裕が無い。下る人達は山頂でご来光を見てからの人が多く結構渋滞気味だ。休憩のタイミングが違うから我々と抜いたり抜かれたりしながら降りていく。特に若い人たちのグループは降りるペースが早くさっさと我々を抜いていったかと思うとすぐ休憩している所に我々が追い付き、先行するとまた抜き返されすぐまた休憩している所に追い付く。そんなふうにして降りて行きながらやっと5合目に到着する。ここで少し休もうと思ったが大勢休んでいて先ほどの若いグループもやはり休んでいる。場所もないから我々は4合目の舗装路まで進んでから休むことにする。

やっと到着

 単調な下りで段々眠くなってくる。陽が当たり標高も下がってくると暑くなってきて喉がからからになり4合目までが長い。やっと鳥居に辿り着き、荷物を降ろし水を飲む。ここまで降りれば後は楽な道だから気が楽になる。十分休憩し舗装路を降りていく。夜中は真っ暗でどんな道か分からなかったが木々の緑が綺麗な道だ。傾斜も緩やかで歩きやすい。3合目まで歩きまた登山道になる。暗い中この道を下るのは大変だろうと思っていた箇所も明るいと大したことは無い。1合目の標石を過ぎると後わずかだ。神社の鳥居が見えてくる。お守りを買った境内に着き後は石段を降りればすぐ中禅寺湖が見えてくる。やっと着いた。下りも長かった。

寝かせてくれ!

 中禅寺湖の湖畔に出ると湖水が透き通っていて綺麗だ。駐車場に戻り靴を履き替える。ほっとする一瞬だ。全員無事頂上まで行けて何よりだ。帰りはいろは坂を過ぎた所にある日帰り温泉施設やしおの湯に寄る。大して混んでいるわけではないが洗い場が少ない。露天風呂に入ると気持良い。やはり山登りの後は温泉だ。湯に浸かっていると眠くなってくる。早めに切り上げ休憩所に行き冷たいコーラを飲む。車だからビールが飲めないのが残念。空いているから横になって少し仮眠しよう。少しだけうとうとすると「混んでいますので横になっている人は起きて席を詰めて欲しい」とアナウンスが入る。しょうがない。眠いところ無理やり起きて見ると確かに混んできている。

お疲れ様!

 ここで何か食べて行こうかと相談するが食べれる物が少なく外に出ることにする。少し走るとうどん屋が見えそこに入る。冷やしxxうどんを食べるがうどんはまぁまぁだが汁があっさりしすぎているか。さてお腹も満たしここで岩さん、kenさん、夏みかんさんとお別れだ。また次の山まで元気で。横田さん、左さんと昨日来た道を戻る。横田さんはかなりお疲れの様子で後ろで爆酔。私は明日は午前半休を取ってあるから渋滞で遅くなっても大丈夫だ。東北道、関越、圏央道と渋滞も無く過ぎ八王子に向かう。今日も祭りをやっているから空いている南口に回る。ここで横田さん、左さんともお別れだ。お疲れ様でした。


山行データ
山行日: 2003/08/02,03 晴れ
山: 日光市 男体山(2,484m)
コース&時間: 駐車場(00:10)4合目(01:30)5合目(02:00)山頂(05:00,06:15)4合目(08:30)登山口(09:25)
同行者: kenさん、岩さん、夏みかんさん、横田さん、左さん
参考ガイドブック: 週刊日本百名山22奥白根山、男体山
温泉: 日光市 やしおの湯
写真: 男体山の写真


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