金峰山(2004/07/17)グループ


心配事

 いよいよ今週末は初めての小屋泊まりである金峰山行だ。通勤中の電車の中でも忘れちゃいけないものを思いつくとすかさず携帯のメモに入れておく。金曜日の夕方、仕事中に気になるメールが携帯に入る。二太郎が40℃の高熱だと神さんからだ。仕事を20時に片付け22時に帰宅する。二太郎は解熱剤で少し熱が下がったがまだ39℃ある。明日出かけるのは無理だろうか?朝にならないと分からないが取り合えず山の支度を始める。2360mの山小屋は寒そうだから念のためフリースも入れレインウェアやら何やら35Lのザックに詰め込むとパンパンになる。これでは明日のお昼ご飯を入れるスペースもない。

 もう一度持ち物を見直す。先月行った天城山ではラーメンを持っていったが雨で作ることもできなかったのを反省して今回は素早く食べれるおにぎりにするつもりだからガスコンロや鍋など使わない物は止めにして何とかスペースに余裕ができる。それにしても重い。今年は全然歩いてないからこんな重いザックを持って歩けるか少し心配だ。天気予報が気になるが雨の心配は無さそうで一先ず安心する。

忘れ物

 朝起きて二太郎の熱は38度まで下がっていて何とか大丈夫そうだ。神さんもせっかくの泊まりだし行ってきたらというから出かけることにする。山でTU-KAが入らないのが少し心配だ。家を6:30に出る。駅まで歩けないこともないが汗だくになりそうだからバスに乗る。駅のそばのコンビニでお昼のおにぎりを買い電車を待つ。まだ時間に余裕があるが先に来た電車に乗って町田経由八王子に向かう。電車に乗ってから保険証のコピー、日焼け止めと帽子、ビールやつまみを忘れたのに気づく。せっかく携帯のメモに入れておいたのにすっかり見るのを忘れていたのだ。怪我しないよう気をつけねば。

集合?

 八王子に着き中央線のホームを歩いていると見慣れた顔を見かける。下さんだ。前回白山で会ったばかりだ。挨拶をし指定を取った下さんと別れ私は自由席の方へ進む。中央線の特急に乗るのは久しぶりで自由席がどこだか少しうろうろする。しかし自由席の前で並んでいると自由席は込んでいるから指定席のデッキを利用して欲しいとアナウンスがあり、ホームの先頭まで歩く。入ってきた電車に乗るとデッキは空いていてほっとする。これなら1時間立ちっ放しでも楽だ。

 車窓の景色を見ながら今日はどんな一日になるかなど考える。曇っているが時折日差しもありまずまずの天気だ。やがて山梨市駅に到着しホームを階段に向けて歩いていくとリーダのkenさん達と会う。皆元気そうだ。改札を抜けると渡さんがいて1本前の電車で座ってきたらしい。集合場所のトヨタレンタリースに行くとまだ高円寺から車の会長、嶋さんは来ていない。電車組もまだ人数が足りず次の電車のようだ。初対面の武さん、佐さんと挨拶をする。

やっと集合

 待っていると竹さんの携帯にリバウンドプリンさんから連絡が入り遅れるから会計をやってほしいとの事だ。早速、竹さんが集まっているメンバの分を集金する。今回は小屋とレンタカー代、会長の車代、温泉代で15,000円の予算だ。少ししてリバウンドプリンさんたちも到着し、会長達も車でやってくる。しかし、まだ15人で一人足りない。誰だろう?上さんが来ていないようだ。リバウンドプリンさんの携帯に連絡が入り上さんからで乗り過ごしたらしい。しかし話を良く聞くと実は各停に乗っていて塩山を過ぎたところらしい。そのまま乗っていて山梨市駅で降りるよう指示し、ほっとする。やがて駅から小走りにやってくると皆拍手で出迎える。嶋さん曰く「これがやりたかったのね」。いつもの事ながら必ず何か事件が起こるものだ。やっと全員そろった。男性10人、女性6人の総勢16人の大所帯だ。

どこへ?

 大弛峠には前に一度行ってカーナビにマーク登録してあるという会長を先頭に私と隊長のイプサム(レンタカー)が続く。しかし走り出して何だが私の淡い記憶と違うような気がする。レンタカーのナビには大弛峠は載ってなくセットしてないからそのままついていくと会長がマックに入っていく。ん?腹ごしらえか?と思いきやUターンする。甲府市役所のそばまで来てしまったのだ。引き返し適当な所に車を止め私も会長の所に行く。会長のナビ案内を見せてもらうと長野の川上村を経由するぐるっと大回りの案内になっている。そういえば私の車のナビも以前同じルートを案内していたのを思い出す。マイナーな林道は古いタイプのカーナビに乗ってないものが多いのだ。

到着

 取り合えず牧丘町の恵林寺をセットして走り出す。まぁ少し遅れたが今日は歩く距離は短いからあせる必要はない。今日は後ろの席が中さん、リバウンドプリンさん、上さんの女性3名で賑やかだ。まるで大型のスピーカ3台が乗っているかのようだ。しばらく走り恵林寺のそばで地元の人に道を聞き大弛峠へ向かう。焼山林道が通行止めのようだから杣口林道に入る。会長は遅れを取り戻すかのように俄然飛ばしだす。しかし慣れない車で大勢乗っていることだしこちらはゆっくり進む。時々すれ違うダンプカーが勢いよく走ってくるから結構怖い。時々大きな石が路肩に落ちていて雨でも降るとガラガラと落ちてきそうだ。途中、工事中の砂利道があるが他は全部舗装だ。かなりくねくねと進んでやっと大弛峠に到着する。

タイムラグ

 駐車場のかなり手前から路駐していて我々も路肩に止める。連休でかなりの人出のようだ。小屋は駐車場のすぐ上にありいかにも山小屋といった感じの趣のある建物だ。小屋の前のテーブルに座りお昼ご飯にする。さっさと食べ終わり早速秩父最高峰の北奥千丈岳と国師ヶ岳に向かう。標高差240m程度だから気軽なハイキング気分だ。銘々雨具だけサブザックに入れ出発する。私はサブザックがないからそのままだ。すぐ木の階段が始まる。作ってまもなくとても綺麗だ。途中、夢の庭園を右に見送り更に先に進む。登っていくと次第に展望が開ける。先頭の方でおーっと歓声があがるが後ろの我々にはまだ見えず少し遅れて感嘆の声を上げる。16人だと長くなってタイムラグがあるのだ。明日登る金峰山の五丈岩がボツンと尖がって見える。富士山は裾のほうだけが見える。

個人差

 私は半そでシャツだけで、だんだん風も強くなり少し肌寒くなってくる。少し進んで前国師、展望が開ける。次は分岐を右に進み秩父最高峰の北奥千丈岳に到着する。なかなかの景色だ。曇っていて遠くの山は望めないが富士山も下のほうは見えていて素晴らしい。明日登る金峰山の五丈岩も良く見える。天辺がちょこんと尖がって見えるが早く間近に見てみたい。それにしても風が強く寒い。記念写真を撮ってもらってから長袖のシャツを着る。一応持ってきたが着る事はないだろうと思っていたが、やはり2600mだと下界とは全く天候が違うのを改めて思い知る。まだ3000m級の山には行ったことがないが更に天候が違うのだろう。それにしても服装が人によってかなり違う。長袖シャツがほとんどだがいつものように何枚も着込んでいるkenさん、まだ半袖のままの嶋さんとまちまちだ。

一安心

 次はここからすぐ近くに見える国師ヶ岳へ向かう。先ほどの分岐まで戻り右手に進む。少し進むともう頂上だ。北奥千丈岳より9m低いだけで展望は変わらない。晴れているときに是非また来てみたいものだ。展望を楽しみ帰ることにする。来た道を戻り、途中から夢の庭園に向かう。この時期、花はあまりないが少しだけ石楠花が残っていたりバイケイソウ、ゴザンタチバナなど咲いている。花は渡さんや深さんが詳しくバイケイソウとコバイケイソウの違いを教えてもらう。しかし幾つか聞いてもなかなか覚えられるものではない。 途中、展望台があり休憩する。これで快晴なら素晴らしい景色が見れるのだろう。それでも幾重にも重なる山並みの稜線が霞んでいて幽玄的で綺麗だ。二太郎の事が気になり携帯を出すと何とかアンテナが立っていて電話してみる。熱は相変わらず38℃あるが元気だということで安心する。

宴会突入

 小屋に戻りまずは寝る場所の確保をする。連休で込んでいて詰めなければならない。通路を挟んで両側に11組のふとんが畳んであり、その片側を我々16人で使うよう指示される。ふとん二つで3人の割合だ。枕だけは16人分用意されている。初めての小屋泊まりだが古い建物から想像していたのに反して布団はとても綺麗だ。女性陣が奥に行き我々は手前側に荷物を置く。まだ16時だが早速、会長が「よし、宴会やろう!」の号令で食堂で宴会が始まる。今回はいつもの日和見で行く山より歩く距離も長いから飲み過ぎないように事前にkenさんよりアルコールは自分の飲む分だけ用意するようにとお達しがあったのも何のその、会長はクーラーボックスに山ほどアルコールを積んできたのだ。ビールに日本酒、ウィスキー、つまみなどなど。

女を捨てる?

 国さんから枝豆、上さんからお菓子、他にも何人かつまみをもってきて随分と豪華なテーブルになる。私は出かけにドタバタしたせいで自分の飲み物さえ忘れてきたからありがたい。早速ご馳走になる。国さんが持ってきた枝豆は旨い。何でも自宅で作っているのだそうだ。今日はほとんど歩いてないが少し肌寒いからアルコールがありがたい。テーブル2つで賑やかに談笑する。隣のリバウンドプリンさん、中さんの山のベテラン女性がいるテーブルでは山に来たら女は捨てるという話題で盛り上がっている。化粧もできないし歯ブラシもできない、風呂にも入れないと、女を捨てるか山を取るかの選択に迫られるのだそうだ。それにしては二人とも結構おしゃれだ。

就寝

 小屋の人たちが食事の支度は始めるためテーブルを空け、外のベンチに行って宴会は続く。それにしても皆良く飲む。こんなに飲んで明日はちゃんと歩けるのか心配になってくる。私はアルコールに弱いから二日酔いしないようにセーブする。暫くして夕飯となる。山小屋の食事はまずい所が多いと聞くが、ここは手間隙かけてきちんと作っていて美味しい。食後は小屋の中でまた宴会の続きとなる。たーさんがやおらウィスキーをザックから出す。さすがたーさん、きっとアルコールが足りなくなるのを読んでいたのだ。私は結構控えたつもりだが楽しくてついつい飲みすぎたようで、どんな話題で盛り上がっていたかさっぱり思い出せない。通路を挟んで反対側の人たちはもう布団を敷いて寝ようとしている。時間は19:30だ。20:00まで宴会をして寝ることになる。眠れるだろうか?ふとん二組に3人はやはり狭く寝返りもできない。しかしすぐに眠りに付く事ができた。・・・

天気予報は?

 ふと目が覚める。暑苦しさと鼾の合唱で起きたようだ。何時だろうと思って時計を見ると何とまだ21:40だ。全然寝てない。また寝ようとするが暑くて眠れない。布団を跳ねようとしても一人1枚でないから思うようにいかず、着ていたフリースを脱ぐ。明け方寒くならないか心配だ。時々時計を見ても一向に進まず、0時を過ぎたころ雨音を聞きながら明日の天気は大丈夫だろうかと心配しながらまた眠りに付く。・・・また目が覚める。雨の音がかなり激しくそれで起きたようだ。あちこちでゴソゴソ音がして何人か起きているようだ。時々懐中電灯かヘッドランプの明かりが闇を切り裂いて移動する。起床予定の4:30になってもまだ雨の音が大きい。天気予報では晴れだったのだが。

二日酔い

 5時過ぎに隊長が雨が上がってきていると言っている。私も起きて外に出てみると確かに雨は上がり一部青空も出てきた。良かった。今日も一日良い日となりそうだ。昨日の夜、明日は4:30に起こすと言っていて気合の入っていたリバウンドプリンさんと会長がまだ寝ている。食事は通路反対側の人たちが先で、その後我々の番になる。朝ごはんもしっかりおかずが付いて嬉しい。普段は一杯しか食べないのだが、今朝は2杯食べる。はやり昨日少し歩いたからお腹が空いているのだ。大柄な会長は意外と一杯しか食べない。二日酔いらしい。

原始的

 支度をしていよいよ金峰山に向け出発だ。時間は6:50。地図を見る限り距離はそれなりにあるが標高差がないから楽なコースのようだ。途中、石楠花の葉が多くもう少し早い時期なら綺麗なんだろう。たまに咲いているのもあり、白い花や淡いピンクの花があり綺麗だ。昨日見かけたバイケイソウが今日もあり、前を歩く上さんが「えー、バイケイソウ!」と言う。もうすっかり覚えたようだ。上さんが「1回の山行で二つ花を覚えれば10回で20覚えられる!」と言うと、私がすかさず「だけど半分くらいは忘れるよね」と切り返すと隊長から「坂月さん、厳しいツッコミ」と笑われる。我々はいつものようにkenさん先頭で初心者からベテランまで疲れない絶妙な亀足ペースだから、後から追いついてくる人がいると「急行通りまーす」と言って先に行ってもらう。会長は少し遅れ気味になる。二日酔いで調子が出ないようだ。16人で長くなるから先頭のkenさんと後ろの隊長がトランシーバを持って会話するが中々通じない。結局、隊長が大声で伝令を飛ばす。うーん、原始的。

光の矢

 途中、休憩すると上さんが「私、少し荷物減らそうかな」と言って何をするかと思ったらザックからやおらパンを取り出し食べ始める。隊長から「減らすというよりザックからお腹に移動だよね」と突込みが入る。暫くして次の休憩で今度は隊長が「自分も荷物減らそうかな」と言ってドーナツを食べ始める。上さんに「手伝わない?」と聞くと「はい、頂きます!」と言って上さんもドーナツを食べる。朝もしっかり食べていたけど良く食べる二人だ。森の中は雨上がりで緑が綺麗だ。ふと振り返ると太陽の光が木々の間をすり抜け蒸発する雨上がりの水蒸気と相まって光の矢が降り注ぐように綺麗に見える。神秘的な光景に皆で感動する。写真に撮れるか竹さんや上さんが試してみて「あっ、写っている!」と喜んでいる。上さん曰く「シアワセ!」

印象

 私もデジカメに撮ってみる。その場で確認できるのは何と言っても嬉しい。今は殆どの人がデジカメだ。途中の朝日岳に8:30に到着する。1時間40分かかり標準コースタイムの1.5倍のペースだ。金峰山に何時に着くか少し不安になる。途中景色や花を楽しみながら進んでいく。だんだんと高度を上げると木々が低くなってくる。森林限界に近くなってきているのだ。突然、視界が開けて茫漠とした石ころの世界になる。ここがサイの河原だ。賽の河原という地名はあちこちにあるがやはり仏教にちなんだ名前なのだろうか?誰が積んだのかケルンがいたる所に積んである。荒涼とした風景も今日は楽しい景色にしか写らない。一人物思いに更けながら歩いていたらきっとまた違う印象を持つのだろう。

リアクション

 ここでしばし休憩となる。山頂まではあと一息だ。瑞牆山が近くに見える。以前、行った時は随分高い所に登ったと思ったがここから見ると低く見えるのが以外だ。大弛峠の標高が高いから全然登ってなく高度感が実感できないからだ。上さんが「お昼ご飯はどこで食べるんですか?」と聞くとkenさんが「頂上で11時頃かな」と答える。上さん曰く「嬉しい。そんなに早く食べれるんだ!」。私はてっきり上さんが来る途中パンにドーナツも食べていたから「えーっ、まだお腹空かない!」と言うと思ったのだが・・・。

造形美

 さて、水分補給して先に進む。すぐに岩場になってくるが先頭を行くkenさんは緩やかな道、急な登り、下りでも一定ペースでそのペースは岩場でも同様だ。足場を探しながら少しの緊張を楽しみながら付いていく。ふと後ろを見ると竹さんが遅れている。心なしか顔色も悪い。しんがりのベテランたーさんがしっかり後ろに付いている。私も山歩きをして間もない頃ほんの少しの岩場に随分怖がっていたのを思い出し、追い付くのを待つ。できるだけ歩きやすいコースを歩いているつもりが難しいコースに入ってしまい引き返したりしながら先へ進む。大きな岩場を回り込んで行くと前方にドデカイ建造物のような岩が見えてくる。五丈岩だ。こんなに大きいのか!遠くから見て想像していた以上だ。まるで人工的に積んだかのように大きな岩が綺麗に積んである。自然が作り出す造形美にしばし惚れ惚れと見入ってしまう。とうとうここまで来たのだ。やっと自分の目で見ることができた。先に着いていた面々も少し前まで怖がっていた竹さんも嬉しそうだ。

さすが!

 時計を見ると丁度11時。朝日岳まで随分時間がかかりもっと遅くなるかと心配していたがさすがkenさん、絶妙なペースだ。体調が良くなく山行表明の時から朝日岳で引き返すと言っていたリバウンドプリンさんも快調にここまで歩いて来れ、参加者全員そろっての山頂到着で良かった。瑞牆山や富士山など展望を楽しみながら銘々写真を撮る。瑞牆山からここまでのコースは急なギザギザの斜面に付けられていて怖そうだ。是非、次に来るときはチャレンジしてみよう。時々ガスがかかり目の前の五丈岩も霞んで見えなくなったりする。結構登っている人がいて私も中さんに写真を頼みチャレンジしてみる。

 しかし誰でも簡単に行ける所までは問題なく進めたが、大きな岩を攀じ登る所で諦める。無理して登れないこともなさそうだが怪我でもしたら大変だ。隊長と佐さんは難なくクリアして更に上に登っていく。上さんもこの岩にチャレンジする。先に行く二人の手がかりを見ていたリバウンドプリンさんがどこに手足を掛けたら良いかアドバイスする。すると上さんは何とか手を掛け足や膝を掛けながら登ってしまう。さすがだ。良く食べるだけの事はあって元気だ。

元気はつらつ!

 下に降りて皆でご飯にする。小屋で作ってもらった弁当を広げるとお握り三つに漬物だ。二つ食べてお腹一杯だが残しても勿体無いし三つ食べきる。やはり三つは食べれないと言う人もいるが隊長は「もうお腹ぺこぺこだよ、俺燃費が悪いかな」と言って全部食べる。しばし展望を楽しんだり写真を撮ったりしながら時間を過ごす。それにしてもここは人気があり誰かが「まるで高尾山のようだ」と言う。正にそんな感じだ。写真を撮ろうにも次から次へと撮影スポットには人が来て落ち着いて写真も撮れない。ガスが綺麗に晴れ五丈岩の全景が綺麗に見えると佐さんがカメラを中さんに託し走っていく。岩を勢い良く駆け上り早い早い。先ほど私が躊躇った岩もあっと言う間に登って更に上に登っていく。見ている方にしては勢いが良すぎてハラハラだ。写真を撮ってもらってから降りて来るのも早い。さすがに若いだけに元気だ。

挨拶

 さて、十分山頂を楽しみ帰ることにする。来た道を戻り始めるがkenさんが大きな岩場を登る方向に進む。「あれ、kenさんこっちじゃないの」と言うとkenさん曰く「いやー、皆この岩場を越えて行きたいのかと思って」とにこにこしながら言い訳する。賽の河原を過ぎるとまた樹林帯に入り歩きやすくなる。我々が下っていくとこれから登って来る人達と何度もすれ違う。ある若い男女がいてすれ違い様に、女性の方が小さな声で「言ってらっしゃいませ。」男性がやはり小さな声で「ありがとうございました。」と店員のような挨拶をする。竹さんが可笑しそうに笑うとその女性は「あっ、聞こえちゃった!」と笑っている。うーん、楽しいカップルだ。

ずっとこのまま

 朝日岳を超え少し急な下りがあり、竹さんが「こんな所、来るとき通ったかな?」と不思議そうだ。きっと来るときは前に付いて行くのに精一杯で景色や状況を楽しむ余裕が無かったのかもしれない。やがて大弛峠を行き交う車の音が聞こえてくる。「えーっ、もう着いちゃう。もっと山に居たいのに!」と上さん、竹さん。本当にそうだ。できることなら1週間くらいずっとこのまま山に浸っていたいものだ。

最新カーナビ

 駐車場で荷物を降ろすと肩が楽になる。途中、深さんお勧めのほったらかしの湯に寄って汗を流すことにする。kenさんが用意した地図をカーナビにセットして私が先導する。くねくねと降りていくと珍しく隣のたーさんが気分が悪く酔ったらしい。ここまで来てさては昨日のアルコールが切れたか?できるだけゆっくりと下っていく。桃畑が多く、中さんは昨日から土産に買って帰りたいと言っている。先に温泉に向かうが途中でカーナビの案内する細い道に入ると上り坂になり余り使われていないような道で両脇の雑草が激しく道を狭くしている。不安に思いながらも最新のカーナビを信用して進むと何やら昆虫採集だろうか人がいたので聞いてみる。このまま進めば良いとのことだ。すぐに笛吹川フルーツ公園からの道と合わせ右に上ると駐車場に到着する。

眠い

 駐車場の区画は適当で結構いい加減に止めてある。係りの人もいなく正に名前の通りほったらかしだ。車を止め車外に出ると「!!!」何という暑さだ。下界はこんなにも暑かったのか。早く温泉に入りたい。受付に行くとあっちの湯とこっちの湯の二つの浴場があるとのことでどっちが広いか聞くとあっちの湯だと言う。早速風呂場に向かう。建物も全然お金を掛けていない質素な造りだ。露天風呂に向かうと目の前に甲府盆地と山並みがどーんと飛び込んでくる。素晴らしい景色だ。高台にあるから開放感がものすごい。富士山が見えないのが残念だがこれだけの景色が楽しめれば他にお金をかける必要が無い。早速体を洗い、湯船に浸かる。ぬるいお湯でゆったりするのに最適だ。のんびりと二日間の疲れを癒す。昨日の寝不足もあり、今にも寝そうになる。

やはりビール

 風呂から上がり海の家のような質素な休憩場所に行き、そばの売店で買った冷やしそばを食べる。旨い。他の人たちはやっぱりビールだ。旨そう。私はコーラでもう少しの我慢だ。深さんは意外とアルコールは弱いらしく牛乳だ。kenさんも他の人たちが旨そうに食べているそばを見て買ってくる。嶋さんはモモアイスを買ってくるが旨くないらしくすぐにビールを買いなおしてくる。風呂上りはやはりビールだね。

土産

 車に戻り後は帰るだけだ。途中、果物の直売所に寄ってみる。しかし殆ど売り切れたようで端物しか置いてない。中さんは試食して美味しくないから止めたようだ。次の直売所に寄るとこちらはまだ一杯並んでいる。早速試食をしてみる。桃もぶどうも旨い。なぜか朝採れたという胡瓜も出してもらう。旨い。上さんが胡瓜は売ってないか聞くが無いようだ。中さんは良く熟れたももを買っていく。良い値段だがそれでも都内で買うよりずっと安い。私はデラウェアを土産に買う。900円で9房入っていて随分と安い。

感謝

 買い物を済ませ駅へと向かう。レンタカーを返し費用の精算をリバウンドプリンさんが行うと随分と予算が余り、一人3500円返してもらう。結局11,500円で済んだのだ。大勢だと安く上がって良い。次の電車まで時間があり、キオスクで缶ビールを買い、ぐっと飲む。旨い。初めての小屋泊まりで少し不安もあったがとても楽しい下界と離れた二日間が過ごせ、良い思い出ができた。これも大勢の気さくな仲間達のお陰だ。そして二太郎が病気で心配だったが気持ちよく送り出してくれた神さんにも感謝。


山行データ
山行日: 2004/07/17 曇り
2004/07/18 晴れ
山: 奥秩父 北奥千丈岳(2601m)、国師ヶ岳(2592m)、金峰山(2599m)
コース&時間: 7/17:大弛小屋(13:00)前国師(13:45)北奥千丈岳(14:00)国師ヶ岳(14:25)大弛小屋(15:30)
7/18:大弛峠(6:50)朝日岳(8:30)金峰山(10:00,11:00)大弛峠(14:00)  17,300歩
同行者: kenさん、下さん、会長、国さん、深さん、渡さん、上さん、たーさん、リバウンドプリンさん、中さん、竹さん、武さん、隊長、嶋さん、佐さん
参考ガイドブック: 登山・ハイキング17奥秩父
温泉: 山梨市 ほったらかし温泉
写真: 金峰山の写真


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