越前岳(2004/10/17)子連れ


ススキを見に

 やっと週末の天気が良くなりそうだ。どこに行こうか?風邪を引いていた二太郎(4歳)と神さんも直ったことだし子連れで楽に登れて楽しみの有る所が良い。この時期ススキが綺麗な愛鷹連峰の越前岳にしよう。あそこは2年前に須山側の山神社より登ったが、下山後車で十里木側登山口の様子を見に行ったとき、ススキが綺麗で次来る時はこっちから登ろうと思っていたのだ。改めて子連れで登れそうか地図を見てみる。途中の馬の背までは緩やかな勾配だからもし無理そうならそこで引き返しても良い。早速支度をして明日に備える。

タイムはどのくらい?

 朝起きてみると予報どおり久しぶりに晴れている。しかし神さんはまだ調子が悪いようで止めると言うから二太郎と二人で出かけることにする。厚木から高速に乗ると渋滞もなく1時間半ほどで十里木高原に着く。まだ冠雪してない赤茶けた富士山が大きく見える。駐車場はもう殆ど埋まっているが空きが見つかり止め外に出る。空気が冷たくすっかり秋だ。期待していたススキも朝日に照らされきらきら輝いている。トイレに寄り靴を履き替え支度をする。肌寒いからまずは長袖のTシャツと長袖のシャツの2枚だ。駐車場にはハイキングの格好をした人は案外少なく大きな三脚を抱えたカメラマンが多い。登山口の案内には登り120分と書いてある。エアリアでは110分だが二太郎の足ではどうだろう?夏に高尾山から城山まで歩いたときは結構大人並みのスピードで歩いていて逞しくなったと思ったものだ。

笹峰

 ススキの間をはしゃいで駆け上っていく二太郎をゆっくりゆっくりと声を掛けセーブする。歩くたび、風が吹くたびにススキが揺れ何度も立ち止まっては写真に撮る。前を歩く二太郎も撮るがこの時間は逆光だ。すぐに暑くなってきて長袖のシャツを脱ぎ長袖Tシャツ1枚になる。展望台に着くと遮る物のない富士山が雄大に裾野を広げていて素晴らしい。眼下に見えるゴルフ場と須山クレー射撃場から聞こえる銃声が余計だ。ここ迄はススキと富士山目当ての人たちがやってくるから歩きやすい広い道だが、この先から登山道になりぬかるんでいる所や大きく抉れて歩きにくい所も出てくる。花はタンポポのような白いものと萎れかけたアザミがあるくらいだ。すぐに送電鉄塔を過ぎ笹が茂る道に入ると背の低い二太郎は前が見えなくて草が邪魔だと文句を言いながら歩いていく。しばらくそんな道を進むと急に開けた場所に出る。標識には笹峰と書いてあるが馬の背ちょっと手前のようだ。

もう登れない

 振り返ると雄大な富士山が先ほどより更に裾野まで良く見える。ザックを置いて少し休憩する。二太郎は持ってきたおやつを出して食べ始める。これから進む方角には越前岳の頂上がこんもりと見えている。穏やかな感じで楽に登れそうだ。さて出発だ。広い場所から狭い登山道に踏み出していく。ここからは木々が高くなり今までとは別の山に来たような雰囲気だ。登山道はかなり荒れていて段差が大きい。二太郎も必死によじ登るが足が届かないような大きな段差は手をつないだりお尻を支えてあげたりしながら進む。木の棒を拾って登山道の横や段差に穴があると何かいるかなと突いたりしながらでなかなか進まない。何度か置いてくよと声を掛けながら先を急かせる。急な段差があるともう登れない、帰ろうよなどと言うこともあるがすぐに気分転換してまた登っていく。

おやつは別腹

 途中すれ違う人たちに坊や頑張ってるねと言われると二太郎は嬉しそうだ。やがて頭上の木々が少なくなってきて頂上はもうすぐのようだ。ところがそこを登ってもまだ頂上ではなく尾根に出ただけだ。勢子辻との分岐を東へ進む。道は緩やかになり歩きやすい。少し進むと視界が開け頂上に到着する。時間はまだ早くそんなに込んではいない。シートを広げ荷物を置く。頂上から見る富士山はやはり端正で綺麗だ。南には呼子岳が見える。二太郎がお腹が空いたと言うから早速ご飯にする。おにぎりとラーメンを持って来たが二太郎はラーメンが良いと言うのでそれを作りながら私はおにぎりを食べる。長袖Tシャツ一枚だが日差しがあったかく丁度いい。ラーメンができて二太郎も食べ始める。しかし熱くてなかなか食べれない。冷めてから食べさせるがお腹が空いたと言っていたのに半分ほどでもういいと言う。しょうがない、残りを食べる。100円の冷食だが結構旨い。二太郎は早速おやつを出して食べ始める。おやつは別腹か?

エレベーター

 私は横になって少しまどろむ。風は少し肌寒いほどだが日差しとのバランスで丁度いい。二太郎がハチ!と声を上げる。小さなハチで害はなさそうだが動くと刺されるといけないから動かないように言う。しばらくおやつの甘い匂いに誘われたのかブンブンしていたがやがていなくなる。二太郎はまた木の棒を拾ってその辺にある穴をほじくりはじめる。しばらくそうやって遊んでいたがそろそろ降りてお風呂に入ろう。まだ虫を探したそうにしている二太郎を急かして荷物をまとめ帰路に着く。来た道を戻るだけだから気が楽だ。ところが二太郎は登りではよじ登っていたような所でも下りでは危なくて降りれない。そんな所では私が先に下りて両手で抱っこして下ろしてあげる。二太郎はエレベーターと言って喜んでいるが何度も繰り返しているうちに両腕がだるくなってくる。

ヘビ

 やっと段差の大きな急勾配を降りると道は緩やかで歩きやすくなり笹峰に到着する。展望が開けて時間もまだ早いからゆっくりここで富士山を見ながら休憩しよう。二太郎はまたおやつを出して食べ始める。日差しが暖かく風は冷たくなく眠気を誘うような天気だ。二太郎は木のベンチに跨ったりして遊んでいる。ゆっくりしている間に何人かが追い抜いていく。十分休んでから下に降りる事にする。笹の茂った道を進んでいくと突然目の前を緑っぽいヘビがくねくねと動きながら歩いている。私に気がつくと慌てて笹薮に入っていく。目の辺りが黄色っぽいが何だろう?綺麗なヘビだ。藪に消えたが通るときに噛まれるといけないから短い靴の二太郎を抱っこして通過する。

お土産

 すぐに展望台に到着する。ここまで来ると軽装の観光客が多い。見納めの富士山を写真に撮り、登りは東コースだったから西コースで駐車場まで下る。広く仮払われた道で歩きやすいが駐車場まであと少しというところで二太郎はもう歩けないと道に座り込む。すねた所を写真に撮ろうとしてカメラを向けるとすかさずピースサインをする。まだまだ元気だ。ススキを土産に持って行きたいがこれだけ綺麗に咲き誇っているのを抜くのは忍びないし、落ちているのは萎れかけていて手に持つとすぐ葉が抜けてしまう。仕方ない、諦めよう。

貸切風呂

 帰りは一昨年も行った大野路キャンプ場へ行って風呂に入ろう。空いた路を車で向かうとすぐ到着する。広い風呂は誰もいなくて貸切状態で二太郎も大喜び。すぐに3人やってくるがそれでもガラガラで気持ちいい。二太郎のペースで歩いたから足の筋肉痛は感じられないが何度も抱っこしたせいが腕がだるい。風呂から上がり広間でビールを飲む。二太郎はソフトクリームだ。テレビでサッカー中継をやっていてビールを飲みながら寛ぐ。ここも貸切状態だ。

また来よう

 二太郎がお腹が空いたと言うから隣の食堂に入る。入ってみてビックリ。随分高めの設定だ。風呂に入ったから200円引きになるらしいがそれでも高い。お子様うどんと天そばを頼む。味はまぁまぁだ。お腹が一杯になり外へ出て家路へ向かう。御殿場に向かう道路の両脇でもススキ野原が一面に広がり壮大な景色だ。この辺のススキも綺麗だねと二太郎に話しかけるが返事が無い。横を見ると熟睡している。無理も無い、あれだけ歩いた後でお腹一杯食べたんだから。幾つまで一緒に遊んでくれるだろうか?また来年も来てみよう。


山行データ
山行日 2004/10/17 晴れ
富士周辺 越前岳(1,504m)
コース 十里木駐車場(9:30)送電鉄塔(9:45)笹峰(10:10)越前岳(11:30,12:25)笹峰(13:30)十里木駐車場(14:15) 歩行数 12,000歩
同行者 二太郎
参考ガイドブック 山と高原地図31富士・富士五湖
温 泉 裾野市 大野路
写 真 越前岳の写真

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