陣馬山(2004/11/03)グループ


心配事

 今度の日和見山の会の山行は山歩きと言うより山頂でワインを飲みながらチーズフォンジュやパスタを食べると言うグルメランチ中心の計画だ。場所は陣馬山で皆で食材や調理器具を分担して担ぎ上げようということだ。チーズとワインの食材準備はグルメのシェフ、その他の食材は食材部長が段取りを行うことになった。事前に食材部長から参加者に誰が何を買って来て欲しいかメールが入る。男性陣は水2Lと加工しないで持っていける野菜や果物、鍋など。女性陣は下準備が必要な野菜などのようだ。私には水2Lとアボカド2個、プチトマトが割り当てられる。

 しかし私は今まで一度もアボカドを食べたことが無く、神さんに聞いても無いようだ。食材部長のアドバイスやインターネットで検索した内容からすると買ってから1週間ほど寝かせると良いらしい。熟成を早く進めたい場合は常温で、ゆっくり進めたい場合は冷蔵庫が良いらしい。またリンゴと一緒にしておくと熟成が早まるそうだ。山行日10日前に緑色のアボカドをスーパーで買い暫く様子を見る。日が経つに連れ段々表面が黒ずんでくる。しかし全体に綺麗に黒くならず緑色の箇所と黒い部分がまだらになっている。こんなんで大丈夫なのか心配になる。丁度2個買ったがそれなら途中で中身が見れるようにもう1個買っておけば良かったと後悔するがもう遅い。まぁ他にもアボカドを持って行く人がいるから何とかなるだろう。2日前になり皮はだいぶ柔らかくなったが1個は一部凹んできて熟れ過ぎたかもしれない。慌てて冷蔵庫に入れる。

乗れない?

 そんな不安を抱えながら当日の朝を迎える。支度をして忘れ物がないか確認する。冷蔵庫からアボカドとプチトマトも入れ後は駅へ向かう途中で99円shopで水2Lを買うだけだ。店でお昼ご飯に何か買おうか考えるが、以前私は参加できなかったのだが城山で鍋パーティーをやったときに食材がだいぶ余ったと聞いていたので、お昼ごはんは買わずに水2Lだけ買って駅へ向かう。藤野駅で降り和田行きのバス停に向かう。ところが天気が良く陣馬山は人気のようですでにバスは一杯だが、まだ長蛇の列。とても乗れそうに無い。今日のメンバはリーダのkenさんと竹さんしか見えず他のメンバは既にバスに乗っているようだ。係員から臨時便が出ると聞いて安心する。3人で次の臨時便に乗るがこちらも一杯になる。バスは山間の道を登って行き、陣馬登山口、上沢井登山口で登山客を降ろしながら終点の和田バス停に到着する。

辛い階段

 先行したメンバとバス停にある県立陣馬自然公園センターで合流し出発する。他の会長が「昨日の酒が抜けないから調子が悪い」と言うとすかさず「いつも同じこと言ってるね」と茶々が入る。車道を5分ほど登ると登山口だ。急な舗装路を民家の庭の中を通るような感じで進む。下を見下ろすと小さな茶畑が見える。きっとこの辺の人だけで飲む分だけ栽培しているのだろう。墓の横を過ぎると雑木林の歩きやすい気持ちいい道になる。天気が良く秋の空気の中をゆっくり進んでいく。道の両脇にはきのこが結構あり前を歩く竹さんは目が良いみたいで良く見つける。そのつど立ち止まって近づいて見るが何きのこかはわからない。詳しければチーズフォンジュの具になるのに勿体無い。

 今日は水2Lとワイン2本を持っているからいつもより結構重く肩が痛い。1時間ほど歩くと一ノ尾根に合流する。ここまで他の人とは会わなかったがとたんに人が多くなる。ゆっくり歩く我々は後ろから来る人達に道を譲りながらのんびり進む。和田からのもう1本上の道と合流するとあと少しだ。すぐに階段になりこれを登りきれば頂上だ。初めて陣馬山に来たときはまだ山歩きをしてから1年目で最初にハイペースで歩いたからこの辺の階段が辛く息も絶え絶えだったのを思い出す。他の会長は昨日の酒が抜けないのか辛そうだ。頂上手前では綺麗に色づいた紅葉がすばらしい。すぐに頂上に到着する。

初めてのチーズフォンジュ

 晴れの予報だったが曇っていて展望は良くない。しかしそんなことよりまずは場所取りだ。頂上付近は大勢の人で賑わっているが少し離れた草地のところに各自持ってきたシートを広げ、ワインにチーズ、野菜、果物、鍋、土鍋など次々に出して、早速料理が始まる。まずは食材部長の指示でサラダ作りだ。私も持ってきたアボカドをむき始める。熟れ過ぎていたか心配だったほうはやはり少し熟れ過ぎで皮が綺麗にむけず黒ずんだ内皮が残る。2個目は丁度食べごろで綺麗に手でむける。他の人が持ってきたアボカドは国さんがむいているがそっちは全部綺麗な緑色だ。

 アボカドをむき終わったら今度はいよいよチーズフォンジュに取り掛かる。シェフの指示で渡さん、ボッカさんがワインで伸ばす方、kenさんと私が牛乳で伸ばす方を担当する。チーズはシェフがワイン用、牛乳用それぞれを何種類か厳選し摩り下ろしたものをブレンドして持ってきてくれたのだ。渡さんはいきなりチーズを土鍋に入れるがすかさずシェフから違うよと声がかかる。kenさんも野菜の具をどうやって食べるの?と言っている。私もそうだがチーズフォンジュを食べたことの無い人も多く、ましてや作ったことのある人は殆どいなそうだ。

 シェフの説明では最初に土鍋やコッフェルにワインまたは牛乳を半分ほど入れ熱くなってきたらチーズを少しずつ入れながら焦げ付かないように混ぜれば良いらしい。隣のボッカさんの方は段々チーズが溶けてとろみが出てくるが私の方は牛乳とチーズが分離したままでなかなか巧くいかない。小麦粉を少し入れるがそれでも分離したままだ。渡さんやkenさんの鍋もおいしそうに出来上がってきた。隣で見ていた他の会長が業を煮やして小麦粉をどっさりと豪快に入れる。それもで水っぽく私の所だけコッフェルで他の人の鍋は土鍋だから鍋が悪いんじゃないかと話になりチーズフォンジュ用の鍋が一つ余っていてそっちに入れ替える。すると火の伝わり方が違うのかだんだんとろみが出てくる。隠し味にナツメグやリキュールをシェフが入れてくれる。やっと出来上がりだ。

豪華な食事

 まずはワイン2本を開ける。これもシェフ厳選の辛口とフルーティーな2本だ。驚いたことにシェフはワイングラスまで全員分もって来てくれた。プラスチックだが上と下が分解できるもので優れものだ。全員ワインを注いで食材部長の音頭で乾杯だ。美味い。辛口のワインが心地よい。早速アボカド、生ハムのサラダを頂く。美味い。アボカドはわさび醤油で食べると何ともいえないとろっとした感じで絶妙だ。今まで食べたことが無かったがこれはいける。今度家でも食べてみよう。チーズフォンジュをフランスパン(2種類)や野菜(プチトマト、にんじん、アスパラ、じゃがいも、ブロッコリー)、ソーセージ(チョリソー、普通の)を絡ませて食べる。美味い。ワインで伸ばしたほうはチーズが切れないほど良く伸びる。これもシェフが用意してくれたチーズフォンジュ用の長いフォークで食材をくるくる回してチーズをたっぷり絡ませる。こくのあるチーズがワインに良く会う。牛乳で伸ばした方はさらっとした感じでフランスパンに付けて食べると美味い。

 アルコールが回ってきて宴は賑やかになる。シェフ、他の会長は特に饒舌だ。いつもはあまり喋らない荒さんも良く喋る。忘年山行をどうしようかなどの話題で盛り上がる。チーズフォンジュを一通り食べ、次はパスタを茹で食材部長と荒さんでペペロンチーノとバジルソースの2種類を作る。ペペロンチーノはちょっと辛すぎるがこれも美味い。ワインが4,5本無くなると料理用に持ってきたワインも空け、それでも足りない人はウィスキーの水割りを作って飲み始める。皆よく食べよく飲む。忘年山行は隣の影信山で餅つきときのこ鍋にしようということでほぼ決まる。幹事は渡さん、上さん、竹さんに交代だ。

宴会の山

 ゆったりと時間は過ぎいつの間にか西日が差してくる。時計を見ると4時間近くも頂上にいたことになる。食材は少し余ったがもう皆お腹一杯で、帰り支度を始める。ゴミやワインの空き瓶を分担しシートを畳むと宴の痕跡はなくなる。白馬の像でボッカさんが三脚でセルフタイマーにして記念写真を撮る。帰りは来た道を戻りすぐの和田への分岐を下る。登りで使った道の1本北側の道だ。こちらのほうが歩かれてないようで落ち葉がふかふかだ。日陰に入るともう薄暗くなっているが陽が入るところでは夕日に照らされ木々の葉が綺麗だ。

 1時間弱で車道に出てシェフが自然公園センターに温泉の送迎バスを頼みに急ぐ。我々がゆっくりと下って和田バス停に到着すると丁度シェフがセンターのおばちゃんにバスを頼んで出てきたところだ。シェフは今日の山行に先立ち事前に今日のコースを下見したらしいがその時ここで温泉の送迎バスが呼べることをそのおばちゃんに聞いていたらしい。用意周到でさすがだ。25分ほどで来るとのことで荷物を置き休憩する。あたりはすっかり暗くなってくる。自然公園の地図を見ながら渡さんが「この辺の山は殆ど登ったね」と言うと、すかさずシェフさんが「この辺の山は殆ど宴会の山だね」と交ぜっ返す。

感謝!

 5時半のバスで他の登山客が帰っていくと我々だけになるがまだ送迎バスが来ない。先ほど温泉のマイクロバスらしきものが通り過ぎていったがそれも戻ってこないしどうしたのだろう?シェフが電話し話してみるともう和田バス停に向かっているとの事だ。和田峠と間違っているのだろうか?何回か電話するうちやっとマイクロバスがやってくる。ほっとして全員乗り込む。前に座った上さんが運転手に聞いてみると新しい運転手でこの辺の地理に詳しくなく、間違って和田バス停に行ったらしい。すっかり暗くなった道を藤野駅を通り過ぎ更に進むと右手の五感の里という温泉に到着する。やまなみ温泉の少し手前のようだ。

 遅くなったから風呂に入れる時間は40分ほどだ。風呂は空いていて体を洗い外の露天風呂に浸かる。ぬるめで私には丁度良く気持ち良い。風呂から上がり今日始めてのビールを飲む。チーズフォンジュにはワインが良いが風呂上りはやはりビールだ。旨い。時間がないからさっさと飲んでマイクロバスに向かう。下駄箱の鍵がない! 慌てて服のポケットをあちこち探すが見当たらない。焦る。他の会長が心配して落ち着いて探してと言う。カウンタで鍵を無くしたと話しながらもう一度ズボンのポケットを探すとハンカチの間に包まっていたのをやっと見つける。良かった。バスに乗り込み駅へ向かう。今日一日楽しい仲間と美味しい食材に囲まれ最高の秋の休日を過ごせた。食材準備の段取りやコースの下見までしてくれたシェフ、食材部長、分担して食材を担ぎ上げ協力してご馳走を作った皆に感謝!


山行データ
山行日 2004/11/03 晴れ
陣馬山(857m)
コース 和田バス停(9:50)頂上(11:40,15:50)和田バス停(16:50)
同行者 kenさん、ボッカさん、他の会長、渡さん、国さん、食材部長、嶋さん、荒さん、竹さん、上さん、シェフ
参考ガイドブック 山と高原地図27高尾・陣馬
温 泉 藤野町 五感の里
写 真 陣馬山の写真

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